読者様の真空管ラジオのページその7


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ここでは、読者の方々が修理した真空管ラジオや、自作した真空管ラジオ等を紹介したいと思います。

R−61.早川金属工業(SHARP)「放送局型第123号受信機」

R−62.ミタカ電機(ARIA)「京都ラヂオ商聯盟 ヨクナル号」

R−63.タイガー電機(CONCERTONE)「放送局型第123号受信機(初期型)」

R−64.メーカー不詳「形式不詳」mT管5球スーパー

R−65.早川金属工業(SHARP)「放送局型第11号受信機」

R−66.KING TONE SUPER RADIO

R−67.日立製作所(HITACHI)「国民型4号B サンライト」

R−68.自作「高一ラジオ」 


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R−61.早川金属工業(SHARP)「放送局型第123号受信機」 (京都府のH.K様が修復したラジオです)

 放送局型第123号は2度マイナーチェンジされていますが、この末期形(角形)は最後のスタイルで、それまでの曲線や曲面を使った優美なデザインから、中学生の技術科工作品の様な、製造し易い単純なデザインに変更されてしまいました。今回入手した物の塗装の状態は、比較的良好でしたので、洗剤で汚れを落した後、表面保護の為透明つや消しニスを軽くスプレー塗装しました。元はトグルタイプだった電源スイッチは、回転式に交換されています。


 今回の修復は、前回の標準十号の時以上に、オリジナルな姿を尊重しつつ、綺麗で完全な修復を目指しました。シャーシは一旦完全に解体して塗り直し、電線類も新しくしていますが、古い感じを出す為に、太めの繊維チューブ(ガラス繊維チューブ?)をベージュに塗って被せ、古い布巻き線の様な感じにしました。スピーカーのコイルは幸運にも切れてはいませんでした。写真ではよく見えませんが、マグネットの部分にもシャープのラベルが貼られています。真空管は、検波管と抵抗管は鉄脚だっので、出荷当時の物だと思います。それ以外は後の時代の物に交換されていました。


 今回は抵抗器やコンデンサーの形状にもこだわってみました。交換が必要だった抵抗器は、ベークライト筒に新しい抵抗器を入れて外見をL形にし、ペーパーコンデンサーも、紙筒にフィルムコンデンサーを入れて、外側に本物から剥がしたラベルを貼りロウを塗って、チューブラーコンデンサーを「復刻」しました。ケミコンは紙箱の中に現在の物をいれました。マイカコンデンサーは元の物を使っています。


 解体前に元の配線や部品配置を絵と写真に記録して、復元はその通りに組立ましたので、全面解体修復ですが、全て「元通り」の配線です。中継端子も元の物を使っています。但しヒーターの接続順は、ランプ、抵抗管、整流管、出力管、増幅管、検波管の順序に変更しています。ビニール被覆線も、スイッチやスピーカー、ランプへの線以外は使わず、スズめっき銅線にエンパイアチューブを被せて使いました。修復後は良好に動作していますが、同調ダイヤルがバリコン直結なので、以前から使っている減速機構付きのコロムビア製の後期123号に比べると、使い勝手は少々劣ります。感度もコロムビア製に比べると多少劣る様ですが、これは使っている球の為かも知れません。当地京都市で「十分な感度」の目安である、神戸のラジオ関西が昼間でも受信出来ますので(標準十号松下R−48では受信出来ません)、十分な性能だと言えます。

このラジオの修復については私のサイトで、詳細なページを作ってご紹介しています。
http://www.geocities.jp/yukinomachikouen/123gounaibu.html

追記
 その後、バリコン軸には減速機構が内蔵されている事が判り、機能が復活し、使い勝手は格段に向上しました。少々劣る様に感じた感度も、新品の真空管に交換すると、コロムビア機とほぼ同じになります。

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R−62.ミタカ電機(ARIA)「京都ラヂオ商聯盟 ヨクナル号」 (京都府のH.K様が修復したラジオです)

 このラジオは、「汚くてボロボロのラジオを、ピカピカに蘇らせよう」と思って、わざわざ汚くてボロボロのラジオを探している時、オークションで目に留りました。左側面にまで周り込んだスピーカーグリルが特徴の、当時流行のアール・デコデザインです。ミタカ電機のアリアA-2型を、京都ラヂオ商聯盟がOEMで「ヨクナル号」と名付けて販売した物だと思います。球構成は27A、26B、12A、12Bの並四です。


入手時の姿です。触るのも嫌になる程に汚れてて、ニスは処々剥がれ、サランネットは破れて垂れ下がり、ダイヤル窓は真っ黒で全く中が見えません。内部のシャーシや電源トランスは全面にわたって錆び、スピーカーも真空管も失われています。更に、長年ネズミか何かが巣にしていたらしく、尿のアンモニア臭が強烈に染み着いていました。


 キャビネットもシャーシも電源トランスも、全て塗装を剥がして塗り直しました。キャビネットは元のイメージ通りですが、シャーシは元の暗い色ではなく、明るくて気持ちのいいパステルグリーンに塗りました。斜めに取り付けられた2個のトランスは、電源チョークと1:3の段間結合トランスです。真空管は手持ちの関係とヒーター消費電流の軽減の為、56、26B、12A、12Fを使います。 


 配線レイアウトは基本的には元通りで、抵抗器は全部元の物を使用し、コンデンサーも2個のマイカコンデンサーは元の物です。赤い帯のペーパーコンデンサーと、大きなケースの集合コンデンサーは、内部に現代の物を仕込んでいます。右端のマイカコンデンサーが、ちょっと変わった形です。配線を安定的に行う為現代の立ラグ端子と、電圧調整用の抵抗器を追加しています。写真に写ってはいませんが、欠品だったスピーカーは、貴重な手持ちのマグネチックスピーカーを使いました。

 27-26-12Aというオール旧式三極管構成で、修復完成までは感度が大いに不安でしたが、想像以上に感度・音質が良く、以前修復したもう少し後の並四の標準十号に優るとも劣らぬ性能です。音量調整を兼ねた再生調整も使い勝手が良く、最小音量?最大音量まで、スムーズに変化します。

 このラジオの修復については、私のサイトで詳細なページを作ってご紹介しています。

http://www.geocities.jp/yukinomachikouen/yokunarugounaibu.html

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R−63.タイガー電機(CONCERTONE)「放送局型第123号受信機(初期型)」 (京都府のH.K様が修復したラジオです)

今回の放送局型第123号は、同調つまみがダイヤル窓の下にある、123号の中でもマイナーチェンジ前の、初期の形です。キャビネットの状態は、細かいキズは多かったのですが、全体としては良好な状態でしたので、クレヨン状の家具補修材でキズを塗り潰した上から、水性透明ツヤありニスをスプレーしました。


今回も部品の外形にまでこだわりました。コンデンサーや抵抗器の復刻は、前回のシャープ製123号と同様ですが、今回は撤去されていた紙箱入ケミコンも、一から作りました。厚紙で箱を作り、中に現代のケミコンを入れ、他のラジオの本物紙箱をカラーコピーして表面に貼ってロウを塗った物で、ちょっと自信作な出来映えです。


配線や部品配置は解体前と全く同じですが、元は部品の配置が割と雑だったのに対して、修復は縦横直角にきっちり整然と配置しましたので、元より綺麗な仕上がりになりました。ビニール線に見える配線は、錫めっき銅線にエンパイアチューブを被せた物で、シャーシに密着させる事で、ハムやノイズを拾う事の軽減を狙っています。


修復が終ってテスト中の姿です。初期形の特徴である、コイルの大きなシールドケースが目立ちます。球のシールドケースと共に、銀色に塗り直しましたので綺麗です。シャーシはタイガーのシャーシの特徴である茶色で、これも塗り直ししました。茶色塗料は金属分が含まれていないので、123号の特徴の活電状態のシャーシに触れても、感電する事はありません。
 この123号は、時期的に物資がまだ比較的豊かだった為か、シャープの末期形で見られたバリコンのガタと言った、部品の精度の甘さが無く、所有する3台の123号の中では最良の感度で、アンテナ線を束ねたままでも、地元局は十分に受信出来ます。電源部のケミコンを増強したのでハムも皆無です。 このラジオの修復については、私のサイトにページを作って詳しくご紹介しています。

http://www.geocities.jp/yukinomachikouen/tiger123gounaibu.html

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R−64.メーカー不詳「形式不詳」mT管5球スーパー(愛知県のY.M様が修復したラジオです)

メーカーや形式が不詳な、mT管トランス付き5球スーパーラジオです。大きさは270mm×180mm×170mmと小型です。使用真空管は、6BE6(周波数変換)、6BA6(中間周波数増幅)、6AV6(検波&低周波増幅)、6AR5(電力増幅)、6X4(整流)とオーソドックスです。


修復前のシャーシー内部の様子。ブロック型のケミコンがパンクしているみたいだ。


修復後のシャーシー内部の様子。コンデンサーを交換し、IFTやバリコンのトリマーを調整し、PU回路やアンテナ線を変更し、不要抵抗を除去しました。


修復後の様子。感度良く大きな音で鳴る様になりました。いつ頃の、どこの製品でしょうか?

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R−65.早川金属工業(SHARP)「放送局型第11号受信機」 (京都府のH.K様が修復したラジオです)

このラジオは、有名な123号より少し前に発売された、放送局型としては、商業的に「売り物になった」最初のモデルです。使用真空管はUZ-57(グリッド再生検波)、UY-47B(電力増幅)、KX-12F(半波整流)の、いわゆる「並三ラジオ」です。電源トランスが、簡単な単巻トランスになっているのが、最大の特徴ですが、これが故に、感電防止対策を迫られたり、B電圧が低かったりと、資材を僅かにケチった為に、多くのデメリットを抱えてしまったモデルと言えます。ダイヤル窓を交点に、濃い色の帯を十文字に配した、結構主張の強いデザインです。


入手時の姿です。キャビネットはかなり汚れていますが、致命的な傷は無く、このまま汚れを落すだけにするか、全面的に塗り直すか迷いましたが、十文字に配した帯が、実際にはかなり褪色していたので、塗り直す事にしました。塗り直すからには、徹底的に綺麗にして、シャープの工場から出荷された時の、新品の状態にまで戻す事を、今回の修復のコンセプトとしました。


シャーシ内部です。配線や部品の配置は、解体前と全く同じですが、より整然と部品を配置して、綺麗な配線を心掛けました。抵抗器やコンデンサーは、以前のシャープタイガーの123号の時と同様、現代の部品を使って、外観を当時の物と同じ様にした「外観復刻品」です。 配線は、AC系やスピーカーへの配線やシールドケース等、シャーシ外へ出ていく、柔軟性を必要とする部分以外は、エンパイアチューブを被せたすずめっき銅線を使っています。真空管ソケットに回り込んでる赤線や、左端の縦の2本の白線等も、ビニール線ではなく、すずめっき銅線です。シャーシが小さいので、部品の密集度が凄まじいです。


完成した状態の裏側です。スピーカーやトランスカバーをクリーム色に塗ったので、ソフトで綺麗な洒落た感じになりました。感度も並四の「ヨクナル」号とほぼ同じレベルで、丁寧に修復したスピーカーのお陰で、マグネチックスピーカーのラジオとしては、音質もかなり良いです。このラジオについては、私のサイトにページを作って、鳴っている動画付きで、詳しくご紹介しております。

http://www.geocities.jp/yukinomachikouen/sharp11gounaibu.html

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R−66.KING TONE SUPER RADIO (愛知県のK・S様が修復したラジオです)

ずーっと前に購入し思い出して修復しようとコンデンサーと抵抗を全て交換して通電しましたが無音。調べましたところ、アウトプットトランスが断線。6Z-DH3Aのプレートからコンデンサー経由でクリスタルイヤホンで聴きますと綺麗に受信してました。アウトプットトランスを交換し、キャビネットの再塗装も完了し綺麗になりました。

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R−67.日立製作所(HITACHI)「国民型4号B サンライト」 (京都府のH.K様が修復したラジオです)

細い横ヒダ状のスピーカーグリルが、ダイヤル部分を挟んで左右の側面にまで回り込んでいる、欧米のプラスチックキャビネットのラジオを意識したデザインです。プラスチックのイメージを出す為に、木目が完全に消えるまで下地塗装を何度も重ね、元は白一色だった塗装は、白とピンクの塗り分けにして艶出しを行いました。ダイヤル窓に元は何の飾りも縁も無く、単なる丸穴のままでしたが、それだと余りにも「未完成感」が漂うので、縁飾り金具とプラスチックの窓を嵌めました。この辺りは結構自信作です。


入手時の姿です。ゴミ捨て場から拾って来た様な惨状です。屋外に長期間放置されていたのでは?と思える状態で、白塗りの塗装はパリパリになって剥離し、薄赤色の下地塗装が露出しています。木材の接合部は、隙間が開いてバラバラになり掛けていて、「踏み台にしても大丈夫!」と謳われた面影は、全くありません。キャビネットは、一旦板材の段階にまで完全に分解して、歪みを修正して組み直し、塗装し直しました。


シャーシ内です。回路は(高周波増幅)、(グリッド再生検波)、6Z-P1又は42(電力増幅)、12F(半波整流)の、標準的な戦後型高一ラジオです。配線は以前のシャープの「放送局型11号」や、タイガーの「放送局型123号」の時と同様に、すずめっき銅線にエンパイアチューブを被せた物を、シャーシに密着させて行いました。抵抗器やコンデンサーは、現代の物を使って当時の形に復刻した物です。日立マークのブロックコンデンサーは、現物が失われていたので、想像しながら作りました。球と検波コイルの配置が余り良くなく、回路とシャーシの大きさの割には、部品の密集度が部分的に高くなっています。


シャーシ上です。ダイヤル照明は、オリジナルの豆球1灯に加え、高輝度白色を2灯追加していますので、白く明るい中に、豆球のオレンジ色が混ざって、綺麗な光り方です。ダイヤル板は元の物をスキャナーで読み込んで、プラスチック板にプリントした複製品です。ピンクに塗ったシールドケースの内、右側は、キャップの部分を自作で追加した物です。元はかなりハムノイズに悩まされていたらしい形跡が見受けられましたので、修復にあたっては、ハム対策のノウハウを徹底してつぎ込みました。その結果、ハムは殆どありません。このラジオの修復は、私のサイトに詳しいページを作ってご紹介しています。鳴っている動画も付けました。

http://www.geocities.jp/yukinomachikouen/sunlightnaibu.html

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R−68.自作「高一ラジオ」 (J様が修復したラジオです)

修復後の様子。戦後直後に流行った素人が部品を集めて組み立てたラジオである。使用真空管は、UZ−6D6(高周波増幅)、6W−C5(周波数変換)、UZ−6D6(中間周波数増幅)、6Z−DH3A(検波&低周波増幅)、UZ−42(電力増幅)、KX−80(整流)、EZ−6E5(同調指示)の高周波1段増幅ラジオで、フィールドダイナミックスピーカーを駆動する。


ダイアルエスカッションも当時は規格化されて、バリコンやコイルなどの部品として組み合わせて、共通に使用出来ていたらしい。


AC出力コンセントが見られる事から、電蓄を意識した自作用のアルミシャーシーである事がわかる。コンデンサーや配線を交換し、柔らかな音がするそうです。大切にしてくださいね!

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写真を投稿して頂いた皆様、本当にありがとうございました。今後ともよろしくお願いします!
他の方々もお手持ちのラジオを見せて頂けませんか?お持ちの方はコメントと写真(サイズの小さい物、320×240ピクセル位を2〜3枚程度)を、メールフォームにて是非ともお送りください!あまりにも大きなサイズの添付ファイルは自動的にフィルターで落とされます。よろしくお願いします!

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誠文堂新光社から2007年11月16日に発売の「真空管ラジオ製作ガイド」と、2008年12月17日発売の「ゲルマラジオ製作徹底ガイド」と、2009年10月22日に発売の「真空管レフレックスラジオ実践製作ガイド」と、CQ出版社から2010年4月19日発売の「CQハムラジオ」の一部を執筆させて頂きました。是非とも1冊ご購入をお願いします!

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