シャープ「放送局型第123号受信機」修復記3


(続)真空管ラジオ修復記 > 戦前〜戦時中〜終戦直後のラジオその4 > シャープ「放送局型第123号受信機」修復記その3

久々に自分のラジオ、早川電機(SHARP)の「放送局型第123号受信機」 の修復をして見ました。


修復前の様子。状態の良い123号は貴重である。近所の方に譲って頂いた。本当に久々に自分のラジオを修理するのである。使用真空管は12Y−V1(高周波増幅)、12Y−R1(再生検波)、12Z−P1(電力増幅)、24Z−K2(整流)、B−37(安定抵抗管)である。放送局型受信機については、こちらを参照ください。


修復前の内部様子。電源コードは修復の跡が有るが、他はオリジナルっぽい。キャビネットも虫食いもなく、良好である。


修復前のシャーシー上部の様子。幸いな事に、全くのオリジナルである。


修復前のシャーシー内部の様子。事故や改造の跡はない。残念ながらマグネチックスピーカーのコイルの導通がないので、巻き直しが必要である。黄色いケミコン3つは、後から追加された物らしい。

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キャビネット底面の回路図も綺麗に残っている。


部品を取り除いたところ。すっきりしました。


配線も取り除いたところ。完全分解して組み立て直します。調べてみたら、ボリュームに導通がない。これに使われているボリュームは10KΩC型であるが、C型は入手が困難です。B型なら入手出来るのですが・・・。秋葉原で売ってないかな〜ぁ?


これが悪名高き信頼性の低い当時のケミコンです。東京芝浦電気マツダ支社と記載があります。シャープのラジオなのに、マツダのケミコンなんですね?ケミコンはシャーシーの上下に1個づつ付いています。試しにケミコンテスターで高圧掛けて、漏洩電流でも計ってみましょうかね?(恐ろしい・・・。)


完全分解したシャーシー。洗浄し錆を落として、再塗装の予定です。少し涼しくなってからにしましょうね!


再塗装前に洗浄し、錆を落としました。防錆処理してから、再塗装します。


再塗装が完了したシャーシー。新品の様に綺麗になりました。


主要部品を取り付けたところ。これから配線に取りかかります。自分のラジオなんで、のんびり修復の予定です。


修理依頼品が多くて、なかなか手が付けられませんが、ヒーターと電源周りの配線が終了しています。ボリュームは10KΩ、C型が入手できないので、仕方なくB型を取り付けました。この事により、回した角度と音量に、比例感がなくなる事が予想されます。


電気回路の修復が完了したシャーシー内部の様子。全ての配線をやり直し、抵抗やコンデンサーは全て新品なので、安心して使用できます。これから断線しているマグネチックスピーカーのコイルの巻き直しを実施して完成の予定です。コイルは手巻きで、0.08mmのUEWを巻きます。0.1mmの線なら、巻き線機で巻けるのですが、0.08mmは切れやすいので、手巻きです。


マグネチックスピーカーのコイルの巻き直しを開始するために、取り外しました。


ご覧の様に、コーン紙の破れもなく良好です。


マグネチックスピーカーには、M−20B型と貼られている。


キャビネットの内部には、真空管配置図も貼られている。


マグネチックスピーカーのコイルを巻き直しの為に、コイルボビンを取り外しコイルを解きました。当初、5,000回巻く予定でしたが、巻いてみたら4,000回程しか巻けませんでした。


コイルの巻き直しと再塗装が終了したマグネチックスピーカー。取り付けて完成です。


動作確認中のダイアル文字盤。放送局型第123号受信機の文字がいいですね。


側面の電源スイッチ。点、減の旧文字体がいいですね。


修復がやっと完了しました。当時の音を聞かせてくれます。

以上、交換部品代は約2,500円。修復作業時間は約18時間でした。

誠文堂新光社から2007年11月16日に発売の「真空管ラジオ製作ガイド」と、2008年12月17日発売の「ゲルマラジオ製作徹底ガイド」と、2009年10月22日に発売の「真空管レフレックスラジオ実践製作ガイド」と、CQ出版社から2010年4月19日発売の「CQハムラジオ」の一部を執筆させて頂きました。是非とも1冊ご購入をお願いします!

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