ナショナル「PL−480」修復記
(続)真空管ラジオ修復記 > 自作ラジオとその他のラジオその4 > ナショナル「PL−480」修復記
修理を依頼された、松下電器産業(NATIONAL)の「PL−480」 の修復をして見ました。
修復前の様子。電池管使用のポータブルラジオである。使用真空管は、1R5(周波数変換)、1T4(中間周波増幅)、1S5(検波&低周波増幅)、3S4(電力増幅)と、電池管ラジオの王道である。
修復前の内部様子。綺麗な方だ。AC電源付きである。
裏蓋の内側には、回路図も貼られている。
ポータブル受信機なので、部品の実装密度も高い。
ケミコンは膨張しており、破裂寸前である。
ここにACプラグを差し込む事で、電源をACとDCの切り替えがされる仕組みである。なかなか素晴らしい設計である。電池で動作させるには、A電池に単一の1.5Vと、B電池に67.5Vの積層電池が必要である。上部に青い放熱板が見えるが、これはセレン整流器である。AC電源で動作するときは、電源トランスを使用せず、大電力の抵抗で電圧を落としている。ヒーター電圧が低いので、結構大変だ。
ベークライト製のキャビネットは水洗し、多少は綺麗になりました。
電気回路の修復が終了したところ。コンデンサー類を交換し、溶けたバリコンの防振ゴムを新しくしました。自作の電池管ラジオ用電源装置で動作確認すると、ウンともスンとも言わない。原因は出力トランスの1次側巻き線の断線であった。スペースの関係で交換が難しい為、B電池の収納場所に出力トランスを配置した。67.5Vの積層電池は現在では入手できないので。
修復が完了したところ。電池管ラジオの音は、トランジスターラジオの様で、迫力がない。このラジオは、AC電源でも使用出来るが、使わない時は安全の為に、プラグを抜いてお使いください。
以上、修復作業時間は約5時間、交換部品代は約2,300円でした。
誠文堂新光社から2007年11月16日に発売の「真空管ラジオ製作ガイド」と、2008年12月17日発売の「ゲルマラジオ製作徹底ガイド」と、2009年10月22日に発売の「真空管レフレックスラジオ実践製作ガイド」と、CQ出版社から2010年4月19日発売の「CQハムラジオ」の一部を執筆させて頂きました。是非とも1冊ご購入をお願いします!
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