ゼネラル「LF−1000」修復記


(続)真空管ラジオ修復記 > 戦後mT管トランス付きスーパーラジオその5 > ゼネラル「LF−1000」修復記

修理を依頼された、八欧無線電気(GENERAL)の「LF−1000」 の修復をして見ました。


修復前の様子。とにかく大型で重たい。ツマミが1個欠品である。使用真空管は、6R−HH2(FM高周波増幅)、12AT7(FM周波数変換)、6BE6(AM周波数変換)、6BA6(FM中間周波増幅)、6BA6(AM中間周波増幅)、6AL5(FM検波)、6AV6(AM検波&低周波増幅)、6BM8(電力増幅P−P)、6BM8(電力増幅P−P)、5R−K16(全波整流)、6Z−E1(同調指示)と全11球の豪華ラインナップである。


修復前の内部様子。3スピーカーの当時の最高級HiFiラジオである。キャビネットの塗装が少し剥がれている。当時の白黒テレビの様に、長い木の脚が取り付け可能の様だ。


シャーシーを拡大したところ。丁寧な作りである。


このラジオの当時のポスター。大型木製キャビネットの、FM搭載機の最上位機種である。


当時の価格で33,000円と、かなりの高級機である。この頃は真空管白黒テレビも販売されている頃である。


マジックアイはご覧のとおりあまり明るくないが、まだ使えるレベルか?


3バンドで、AMは帯域を切り替えるHiFi仕様である。FM受信周波数は80〜90MHzと、現在の受信帯域より狭い。PHONO入力は、LPとSPとのイコライザーが切り替えられる仕組みだ。さすが最高級機だ。


修復前のシャーシー上部の様子。テレビのシャーシー並に、大きくて重たい。


修復前のシャーシー内部の様子。もの凄い部品数である。この頃はペーパーコンデンサーではなく、オイルコンデンサーが使用されているが、全て交換する事にする。


シャーシー右側を拡大したところ。バンド切り替えのロータリースイッチは、回路の干渉を防ぐ為に、かなり離されて配置されている。


シャーシー中央を拡大したところ。かなり複雑な回路であるが回路図が添付されていないので、修復は苦労しそうだ。


シャーシー左側を拡大したところ。一部がプリント基板でユニット化されている。


FM回路ののフロントエンド部分を拡大したところ。この辺をいじると、最悪の事態となる。


電源回路の平滑用チョークコイルは断線して交換されたのか、何故か片方のネジが固定されていない?


電気回路の修復が完了したところ。全てのオイルコンデンサーとケミコンを交換しました。ブロック型ケミコンは漏洩電流を計測したところ、使えるレベルだったのでこのままとしました。


高音・低音のトーン調整によって、指針の表示が変わる凝ったギミックである。


修復が完了したところ。各種試験後、問題無さそうなので完了とする。シャーシー後ろ側にマジックアイの消灯用のスイッチを取り付けました。普段は消灯して、貴重なマジックアイの輝度低下を防止して、大切にお使いください!その後、Bluetooth受信機を付けて、外部の音楽を楽しみたいとの事で、入力トランスを作製する事とする。


外部入力の為に、入力トランスを作製しました。これはハウリング防止の為に、ラジオ本体から出来るだけ離して設置してください。

以上、修復作業時間は約10時間、交換部品代は約5,400円(入力トランス作製代を除く)でした。

誠文堂新光社から2007年11月16日に発売の「真空管ラジオ製作ガイド」と、2008年12月17日発売の「ゲルマラジオ製作徹底ガイド」と、2009年10月22日に発売の「真空管レフレックスラジオ実践製作ガイド」と、CQ出版社から2010年4月19日発売の「CQハムラジオ」の一部を執筆させて頂きました。是非とも1冊ご購入をお願いします!

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