ナショナル「AH−740」修復記その1


(続)真空管ラジオ修復記 > 戦後mT管トランス付きスーパーラジオその3 > ナショナル「AH−740」修復記その1

修理を依頼された、松下電器産業(NATIONAL)の「AH−740」 の修復をして見ました。


修復前の様子。オークションで完動品との説明文があったので落札したが、音が小さいそうである。使用真空管は、6BE6(周波数変換)、6BD6(中間周波数増幅)、6AV6(検波&低周波増幅)、6AR5(電力増幅)、6X4(整流)、6Z−E1(同調指示)である。


修復前の内部様子。清掃されており、埃や汚れは少ない。音は出るそうであるが、もの凄く小さいとの事だった。PU切り替えの接点不良か?キャビネットは再塗装されているのか、妙に綺麗である。


修復前のシャーシー上部の様子。依頼主の方が、ボロボロな豆球のコードや電源コードを交換し、ダイアル糸も張り替えられている。


修復前のシャーシー内部の様子。一部のペーパーコンデンサーのみ交換されているが、ケミコンや他のコンデンサーはそのままである。


マジックアイは、何故かナショナル製の6E5が付いていた。マジックアイテスターで確認したところ、輝度はご覧のとおり、やや暗い。また、6AV6が不良だったので交換しました。


修復が完了したシャーシー内部の様子。全てのペーパーコンデンサーを交換し完了かと思ったら、どこか接触が悪いのかガサゴソ音がして、音が大きくなったり小さくなったりする。原因は6AV6の負荷抵抗の不良だった。これを見つけるのに、かなり苦労しました。ブロック型ケミコンは、ケミコンテスターで確認したところ、漏洩電流が0.1mAと少なくこのまま使用する事にしました。シャーシー後ろにマジックアイ消灯用のスイッチを付けました。断線の予想される出力トランスも交換しました。ガリ防止のために、ボリュームを分解し接点復活剤を塗布してあります。また、帯域をワイドに切り替えると、マジックアイは消えますが、HiFiラジオ特有の高域が伸びた音になります。


修復が完了したところ。マジックアイは新品で撮影しています。迫力のHiFiサウンドを末永くお楽しみください!

以上、交換部品代は約2,700円、修復作業時間は約8時間でした。

その後、この同型のラジオを修理しました。詳しくはこちら

誠文堂新光社から2007年11月16日に発売の「真空管ラジオ製作ガイド」と、2008年12月17日発売の「ゲルマラジオ製作徹底ガイド」と、2009年10月22日に発売の「真空管レフレックスラジオ実践製作ガイド」と、CQ出版社から2010年4月19日発売の「CQハムラジオ」の一部を執筆させて頂きました。是非とも1冊ご購入をお願いします!

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