RCA「REGENOFLEX」修復記


(続)真空管ラジオ修復記 > 自作ラジオとその他のラジオその3 > RCA「REGENOFLEX」修復記

修理を依頼された、RCAの「REGENOFLEX」 の修復をして見ました。


修復前の様子。いつもお世話になっているばざーらさんからの修理依頼品である。RCAの再生式ラジオらしい。使用真空管は元々はWD11らしいが、代用管1LC5が4本使われている。


修復前の内部様子。空中配線の旧型ラジオである。本当はキャビネットに入っているのだが、中身だけ修理にやってきた。


マグナボックスのドライバー(ラッパ型スピーカーの下部)である。ラッパの拡声器部分は大きいので、送られて来ていない。


使われているのは、1LC5という聞き慣れない真空管が4本である。これは検波&増幅用の5極管で、フィラメント電圧が1.4Vの戦前の米国の電池管である。ロクタル管と足の形状が違うのである。詳しくはこちらに解説がある。このラジオ用に新たに作製した電源にて修理を実施する事にする。


よく見ると、ロクタル管にソケットアダプターが付いていて、変換していた。5極管を3極管として使用しているらしい。


RCAのエンブレムは、格好いいのである。


実験中の様子。電源を掛けたら、フィラメントのA電流が流れない。配線が接触不良だった。他もいろいろと不都合が有るらしい・・・。


致命的な故障の原因は、この再生コイルの断線だった。といってもコイルの巻き始めで端子への接続部分が切れていて、何とか繋ぐ事が出来て、一安心である。


何とか放送が受信できる状態となった。


さてさて、古典ラジオの象徴であるラッパスピーカー部分の修復に取りかかる。以前直したラッパスピーカーは、内部にダイナミックスピーカーが忍ばされていたが、こちらは本物である。端子には、入力とコイル励磁用のA電源がある。


逆側には、インピーダンス変換の出力トランスが見られるが、残念ながら1次側コイルが断線していた。


銘板の上のツマミをスライドすると、励磁用の電流が調整出来る仕組みだ。


内部を開けると、こんな感じになっている。


ツマミはレオスタットになっていて、励磁電流を調整する。


このボイスコイルも途中で配線が断線しており、配線し直した。


出力トランスは、形が違うが、現在の物を取り付けて、やっと音が出る状態になった。

以上、修復作業時間は約12時間、交換部品代は約1,300円でした。

誠文堂新光社から2007年11月16日に発売の「真空管ラジオ製作ガイド」と、2008年12月17日発売の「ゲルマラジオ製作徹底ガイド」と、2009年10月22日に発売の「真空管レフレックスラジオ実践製作ガイド」と、CQ出版社から2010年4月19日発売の「CQハムラジオ」の一部を執筆させて頂きました。是非とも1冊ご購入をお願いします!

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