ナショナル「UM−635」修復記


(続)真空管ラジオ修復記 > 戦後mT管トランス付きスーパーラジオその5 > ナショナル「UM−635」修復記

修理を依頼された、松下電器産業(NATIONAL)の「UM−635」 の修復をして見ました。


修復前の様子。リサイクルショップで購入し、一応鳴るらしいが今後安全に使用するために修理&点検にやってきた。使用真空管は、6BE6(周波数変換)、6BD6(中間周波数増幅)、6AV6(検波&低周波増幅)、6AR5(電力増幅)、6X4(整流)、EZ−6E5(同調指示)である。


修復前の内部様子。依頼主の方が清掃したそうで、綺麗な状態である。


マジックアイはご覧のとおりほとんど光らず。


修復前のシャーシー上部の様子。手の届く所は清掃されて綺麗だったが、内部は埃だらけですごかった。エアガンで埃を吹き飛ばしました。


修復前のシャーシー内部の様子。事故や修理の跡は見られない。


絶縁不良のペーパーコンデンサーは、かなり発熱し、ナショナルラジオ特有の豆球の配線はボロボロで、危険な状態であった。古いラジオは鳴るといってもそのまま使用せずに、必ず点検&修理を実施する事が大事です!


修復が完了したシャーシー内部の様子。ボロボロだった豆球の配線を交換し、全てのペーパーコンデンサーを交換しました。ブロック型ケミコンは漏洩電流を計測したところ、220Vで0.3mAと良好だったので、このままとしました。堅くなってた電源コードも交換しました。


外部入力を使いたいとの事だったので、入力トランスを作製しました。このラジオではPHに切り替え時に音量調整が出来ないので、入力トランス側にボリュームを取り付けました。


修復が完了したところ。ガンガン鳴ってくれる。マジックアイも新品に交換しました。キャビネット後ろ側に消灯用のスイッチを取り付けましたので、普段は消灯して、輝度の低下を防止して大切にお使いくださいね!

以上、修復作業時間は約12時間、交換部品代は約7,200円でした。(入力トランス製作分約2,500円を含む)

誠文堂新光社から2007年11月16日に発売の「真空管ラジオ製作ガイド」と、2008年12月17日発売の「ゲルマラジオ製作徹底ガイド」と、2009年10月22日に発売の「真空管レフレックスラジオ実践製作ガイド」と、CQ出版社から2010年4月19日発売の「CQハムラジオ」の一部を執筆させて頂きました。是非とも1冊ご購入をお願いします!

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