三洋「SS−148」修復記


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修理を依頼された、三洋電機(SANYO)の「SS−148」 の修復をして見ました。


修復前の様子。「孔雀号」という愛称が付いているラジオらしい。使用真空管は、6W−C5(周波数変換)、UZ−6D6(中間周波数増幅)、6Z−DH3A(検波&低周波増幅)、UZ−42(電力増幅)、KX−80BK(整流)、EZ−6E5(同調指示)である。全体的に汚れており、状態が悪そうだ。


修復前の内部様子。年代相応の汚れであろうか?電源コードがボロボロである。珍しく出力トランスは断線していなかった。この頃の出力トランスは、巻き線の材質が悪く、半数以上は断線しているのだが・・・。


マジックアイはご覧のとおりほとんど光らず。


キャビネット底部には、回路図も貼られている。


修復前のシャーシー上部を前側から見た様子。実は内部はもの凄い埃が積もっていた。これでもエアガンで埃を吹き飛ばしたのであるが・・・。ヒューズが100Vと110Vの間に取り付けられており、飛んでいた。


修復前のシャーシー上部を後ろ側から見た様子。電源トランスに、かなり錆が見られる。


修復前のシャーシー内部の様子。事故や修理の跡は見られない。オリジナルの状態だ。内部も埃がもの凄かった!


汚かったダイアル窓は、取り外して水洗し、綺麗になりました。


電気回路の修復が完了したシャーシー内部の様子。全てのペーパーコンデンサーとケミコンを交換しました。ガリのある2つのボリュームも交換しましたが、PU切り替えを使用しないとの事で、音量調整側はスイッチ無しのボリュームにしてあります。出力トランスも念の為に交換しました。電源コードは、袋打ちコードと丸形プラグに交換しました。真空管6D6が不良で交換しました。


「孔雀号」という愛称のシンボルとなるダイアルは、真ん中下側のエンブレムが、孔雀の羽を広げたイメージであろうか?


修復が完了したところ。各種試験後、問題無さそうなので完了とする。シャーシー後ろにマジックアイ消灯用のスイッチを追加しました。普段は消灯して、輝度の低下を防止して大切に末永くお使いください。

以上、修復作業時間は約10時間、交換部品代は約11,300円でした。

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誠文堂新光社から2007年11月16日に発売の「真空管ラジオ製作ガイド」と、2008年12月17日発売の「ゲルマラジオ製作徹底ガイド」と、2009年10月22日に発売の「真空管レフレックスラジオ実践製作ガイド」と、CQ出版社から2010年4月19日発売の「CQハムラジオ」の一部を執筆させて頂きました。是非とも1冊ご購入をお願いします!

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