三洋「SF−98」修復記


(続)真空管ラジオ修復記 > 戦後mT管トランスレススーパーラジオその8 > 三洋「SF−98」修復記

修理を依頼された、三洋電機(SANYO)の「SF−98」 の修復をして見ました。


修復前の様子。使用真空管は、12BD6(高周波増幅)、12BE6(周波数変換)、20R−DHV1(中間周波数増幅&検波&低周波増幅)、30A5(電力増幅)、19A3(整流)、12Z−E8(同調指示)と、東芝の新開発の複合管20R−DHV1を用いたトランスレスなのに高周波増幅もマジックアイも付いた最高級機種である。


修復前の内部様子。大変綺麗な状態であるが、何故か電源コードが欠品である。


キャビネット下部には、回路図も貼られている。


貴重なレス用のマジックアイ12Z−E8の輝度は、ご覧のとおりまあまあであろうか?


修復前のシャーシー上部の様子。汚れも少なく、状態は良さそうだ。


修復前のシャーシー内部の様子。途中で電源コードが切られていたり、スピーカーの線が取れていたりと、手を加えられた跡が見られる。


電気配線の修復が完了したシャーシー内部の様子。全てのペーパーコンデンサーとケミコンを交換しました。ブロック型ケミコンは漏洩電流が110Vで0.28mAと良好であったので、このままとしました。チューニングのダイアル糸が滑るので、糸を張り替えて裏技の松ヤニ溶液を塗って、滑らなくなりました。この後通電テストを実施したら、爆音でボリュームが絞りきれなかった。原因は可変抵抗器の残留抵抗が27KΩもあった。PU切り替え付きの6Pのボリュームは入手出来ないので、PU切り替え機能は殺して、通常のスイッチ無しのボリュームに交換した。


プラスチックのキャビネットは水洗し、綺麗になりました。


残念ながら実機で試すと、マジックアイの輝度はほとんど無かったので、新品に交換する事にした。キャビネット後ろ側に、消灯用のスイッチを取り付けました。普段は消灯して輝度の低下を防止して大切にお使いください。


修復が完了したところ。各種試験後、問題無さそうなので完了とする。ケミコンの容量抜けなのか、若干ハム音が大きな気がするのでパラにケミコンを追加した。高周波1段増幅で感度も良い。大切にお使いくださいね!

以上、修復作業時間は約8時間、交換部品代は約6,900円でした。

誠文堂新光社から2007年11月16日に発売の「真空管ラジオ製作ガイド」と、2008年12月17日発売の「ゲルマラジオ製作徹底ガイド」と、2009年10月22日に発売の「真空管レフレックスラジオ実践製作ガイド」と、CQ出版社から2010年4月19日発売の「CQハムラジオ」の一部を執筆させて頂きました。是非とも1冊ご購入をお願いします!

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