ナショナル「RC−174W」修復記
(続)真空管ラジオ修復記 > 戦後mT管トランスレススーパーラジオその8 > ナショナル「RC−174W」修復記
修理を依頼された、松下電器産業(NATIONAL)の「RC−174W」 の修復をして見ました。
修復前の様子。喫茶店に飾ってあったラジオが、お店の廃業を期に、店のオーナーから修理を依頼されたラジオである。キャビネットは木製であるが、トランスレスラジオである。
修復前の内部様子。使用真空管は、12BE6(周波数変換)、12BA6(中間周波数増幅)、12AV6(検波&低周波増幅)、35C5(電力増幅)、35W4(整流)である。内部は少し汚れが目立つ。
修復前のシャーシー上部の様子。所々埃で汚れている。バリコンの白い防振ゴムが、溶け出している。
修復前のシャーシー内部の様子。事故や修理の跡は見られない。オリジナルな様だ。
この大型のチューニングダイアルであるが、何と2カ所のネジでバリコンの軸に固定されているのであるが、キャビネットにシャーシーを固定しているとネジが回せないのである。一体どうやってネジを回せば良いのであろうか・・・?不思議な構造である。ローレッドのツマミにすれば良いのにと思うのであるが。
良ーく見たら、キャビネットの下部に注意書きが記載されていた。ここの切れ目からネジを外してダイアルを外すらしい。
修復が完了したシャーシー内部の様子。全てのペーパーコンデンサーを交換しました。ケミコンは漏洩電流を計測したところ、危険なレベルだったので、交換しておきました。出力トランスは巻き線が断線しており、こちらも交換しました。
受信周波数を示す赤いラインが光ってパイロットランプとなっている粋な設計だ。
修復が完了したところ。ボリュームのガリもなく良好である。大切にお使いくださいね。
以上、修復作業時間は約7時間、交換部品代は約4,800円でした。
誠文堂新光社から2007年11月16日に発売の「真空管ラジオ製作ガイド」と、2008年12月17日発売の「ゲルマラジオ製作徹底ガイド」と、2009年10月22日に発売の「真空管レフレックスラジオ実践製作ガイド」と、CQ出版社から2010年4月19日発売の「CQハムラジオ」の一部を執筆させて頂きました。是非とも1冊ご購入をお願いします!
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