クライスラー「R5P−3」修復記


(続)真空管ラジオ修復記 > 戦後mT管トランス付きスーパーラジオその5 > クライスラー「R5P−3」修復記

修理を依頼された、クライスラー(CHRYSLER)の「R5P−3」 の修復をして見ました。


修復前の様子。アンプの様な形をしているが、入力はラジオとPHのみである。使用真空管は6BE6(周波数変換)、6BD6(中間周波数増幅)、6AV6(検波&AVC)、6AV6(プッシュプル低周波増幅)、6AV6(プッシュプル低周波増幅)、6AR5(プッシュプル電力増幅)、6AR5(プッシュプル電力増幅)、5Y3−GT(整流)、6E5M(同調指示)と、豪華な構成である。このページに回路図などの資料があった。


修復前の内部様子。ずっと放置されていたらしく、それなりに汚れており汚い。


PHの入力はインピーダンス違いで、HIGH/LOWの2系統で、出力は4/8/16Ωの3系統である。普通プッシュプル回路の出力管は、ペアチューブと言って特性の揃った同一ロットの真空管を使うのであるが、このレシーバーは出力管がTENとナショナルと、メーカーも違うのが使われている。


修復前のシャーシー内部の様子。ケミコンが追加されている。修理などの跡はないが、電源コードが取り外されている。


マジックアイ6E5Mの輝度はご覧のとおり、あまり明るくないので新品に交換する事とする。mT管の6E5M(6ME5)の新品は、秋葉原でも入手出来ない大変貴重な真空管ですが、僕の所にはまだ在庫が有ります!


洗浄が完了したシャーシー上部の様子。湿らせた歯ブラシで、汚れを落としました。少しは綺麗になったでしょうか?


修復が完了したシャーシー内部の様子。全てのオイルコンデンサーを交換しました。ケミコンも漏洩電流が多かったので、交換しました。故障の原因と見られる電源回路のドロップ抵抗が断線しており、交換しました。電源コードも追加しました。一部回路図には記載があるが、明らかに取り付け忘れの部品があったので、追加しました。ボリュームもガリが有ったので、交換しました。


修復が完了したところ。HiFiの迫力のある音を聴かせてくれる。マジックアイは寿命が短くすぐに暗くなるので、シャーシー後ろ側に消灯用のスイッチを取り付けましたので、普段は消灯して輝度の低下を防止して大切にお使いください。

以上、修復作業時間は約9時間、交換部品代は約6,500円でした。

誠文堂新光社から2007年11月16日に発売の「真空管ラジオ製作ガイド」と、2008年12月17日発売の「ゲルマラジオ製作徹底ガイド」と、2009年10月22日に発売の「真空管レフレックスラジオ実践製作ガイド」と、CQ出版社から2010年4月19日発売の「CQハムラジオ」の一部を執筆させて頂きました。是非とも1冊ご購入をお願いします!

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