東芝「かなりやCS」修復記


(続)真空管ラジオ修復記 > 戦後mT管トランスレススーパーラジオその8 > 東芝「かなりやCS」修復記

修理を依頼された、東京芝浦電機(TOSHIBA)の「かなりやCS」 の修復をして見ました。


修復前の様子。2スピーカーラジオの先駆けとなったラジオである。使用真空管は、12BE6(周波数変換)、12BA6(中間周波数増幅)、12AV6(検波&低周波増幅)、30A5(電力増幅)、35W4(整流)と、オーソドックスな構成である。


修復前の内部様子。汚れが少しある。スピーカーからの配線と、電源コードが切断されている。


修復前のシャーシー上部の様子。年代相応の汚れが見られる。


修復前のシャーシー内部の様子。実装密度はそれほどでもない。ダイアル糸が滑ってチューニング出来ないので、糸の張り替えが必要である。


プラスチックキャビネットは完全分解し、水洗して綺麗になりました。


35W4のパイロットランプに並列な抵抗が、焼け焦げている。いやーな予感が・・・。


ダイアル目盛りに照明を希望との事でしたので、内部に麦球を仕込みました。わざわざ電源トランスを付けて、点灯させます。


電機回路の修復が完了したシャーシー内部の様子。全てのペーパーコンデンサーを交換しました。ブロック型ケミコンの漏洩電流を計測したところ、危険なレベルだったので、交換しました。一部抵抗に接触不良があり、交換しました。これを見つけるのにかなり苦労しました!ダイアル糸も張り替えて、電源コードも交換しました。これで安心です。


キャビネット内部にはダイアル照明用の電源トランスを追加し、麦球を3個点灯してます。何と贅沢な!


修復が完了したところ。各種試験後、問題無さそうなので完了とする。レス機のダイアルが明るいのは、ちょっと違和感があるが、綺麗ではある。ダイアル照明が明るすぎて、本来のパイロットランプが見えない。是非とも大切にお使いくださいね。

以上、修復作業時間は約10時間、交換部品代は約3,800円でした。

誠文堂新光社から2007年11月16日に発売の「真空管ラジオ製作ガイド」と、2008年12月17日発売の「ゲルマラジオ製作徹底ガイド」と、2009年10月22日に発売の「真空管レフレックスラジオ実践製作ガイド」と、CQ出版社から2010年4月19日発売の「CQハムラジオ」の一部を執筆させて頂きました。是非とも1冊ご購入をお願いします!

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