ゼネラル「6L−830」修復記


(続)真空管ラジオ修復記 > 戦後mT管トランス付きスーパーラジオその5 > ゼネラル「6L−830」修復記

修理を依頼された、八欧電機(GENERAL)の「6L−830」 の修復をして見ました。


修復前の様子。とにかく大型で重たい高級HiFiラジオである。使用真空管は、6BE6(周波数変換)、6BD6(中間周波数増幅)、6AV6(検波&低周波増幅)、6AQ5(電力増幅)、6X4(整流)、6Z−E1(同調指示)と、高級HiFiラジオにふさわしく出力管に6AQ5を使用している。電源スイッチ部分のロータリースイッチが不良で、同機種から外したスイッチと交換して欲しいとの依頼である。


修復前の内部様子。汚れはそれほどでもない。2ウエイのスピーカーが見られる。


内部には回路図も貼られている。


マジックアイの輝度は、ご覧のとおりまあまあ。


修復前のシャーシー上部前面の様子。ダイアル目盛り板と一体型なのだが、これが邪魔でシャーシー内部の作業がしにくい。


修復前のシャーシー上部の後ろ側の様子。高級HiFiラジオだけあって、電源回路にチョークコイルを使用して、ハム音の低減を図っている。


修復前のシャーシー内部の様子。コンデンサー類は当時のままである。


問題のロータリーSW部分。狭くて交換するのも難儀そうである。


これが同機種から外したロータリーSWである。これを外すのもかなり苦労したらしい・・・。交換するのもかなり時間が掛かりそうである。


交換したロータリーSW。鋼球が失われカチカチ感が無く、軸が360度回転する。交換完了まで、かなりの手間と時間が掛かりました。これからコンデンサー類の交換に取りかかります。


電気回路の修復が完了したシャーシー内部の様子。全てのペーパーコンデンサーを交換しました。ブロック型ケミコンは漏洩電流を計測しましたが、安全なレベルだったのでこのままとしました。


修復が完了したところ。動作確認して、問題無さそうなので完了とする。HiFiモードにすると帯域が広がり、すごく良い音で鳴ってくれる。高級ラジオ、大切に末永くお使いください。

以上、修復作業時間は約11時間、交換部品代は約2,700円でした。

誠文堂新光社から2007年11月16日に発売の「真空管ラジオ製作ガイド」と、2008年12月17日発売の「ゲルマラジオ製作徹底ガイド」と、2009年10月22日に発売の「真空管レフレックスラジオ実践製作ガイド」と、CQ出版社から2010年4月19日発売の「CQハムラジオ」の一部を執筆させて頂きました。是非とも1冊ご購入をお願いします!

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