ナショナル「AH−610」修復記2


(続)真空管ラジオ修復記 > 戦後mT管トランス付きスーパーラジオその4 > ナショナル「AH−610」修復記その2

修理を依頼された、松下電器産業(NATIONAL)の「AH−610」 の修復をして見ました。


修復前の様子。使用真空管は、6BE6(周波数変換)、6BD6(中間周波数増幅)、6AV6(検波&低周波増幅)、6AQ5(電力増幅)、6X4(整流)、6Z−E1(同調指示)である。通電したが、地元のローカル曲は受信出来るが感度が悪く音も小さいとの事と、短波は全く受信出来ないとの事で、修理にやってきた。


修復前の内部様子。依頼主の方がレストアされて、綺麗な状態である。キャビネットも再塗装されて新品の様である。


修復前のシャーシー上部の様子。ナショナルラジオ特有のボロボロの豆電球の配線は、全て綺麗に交換されている。


修復前のシャーシー内部の様子。全てのペーパーコンデンサーが交換されている。1カ所半田の不良を発見したので、修正した。


調べて見ると初段のIFTの同調周波数が380KHz、2段目が780KHzと、大幅にずれている。本当は中間周波の455KHz前後に同調周波数があるはずである。取り外して再度同調周波数を確認したが、やはり大幅にずれているので、交換が必要であるが、同じ物は同じナショナルのラジオから部品取りしなければ入手は困難である。そういえば前回の同じ型のラジオも、IFTの不良で感度が悪かった。偶然であろうか・・・?


修復が完了したシャーシー内部の様子。IFTを交換しましたが、基本的には修復前と見た目はほとんど変わりません。新品に交換されているマジックアイが、閉じたままである。確認してみるとマジックアイのプレート負荷抵抗が、何と2.2Ωに交換されている。これは通常は1MΩ程度が付くところである。何故こんな値に交換されているのか不明である。


修復が完了したところ。いろいろと問題があり、時間が掛かってしまった。今度は大きな音でガンガン鳴ってくれるが、若干感度が悪い気がする。大切にお使いください。

以上、修復作業時間は約10時間、交換具品代は約800円でした。

以前、このラジオと同型のラジオを修理しました。詳しくはこちら

誠文堂新光社から2007年11月16日に発売の「真空管ラジオ製作ガイド」と、2008年12月17日発売の「ゲルマラジオ製作徹底ガイド」と、2009年10月22日に発売の「真空管レフレックスラジオ実践製作ガイド」と、CQ出版社から2010年4月19日発売の「CQハムラジオ」の一部を執筆させて頂きました。是非とも1冊ご購入をお願いします!


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