電池管ラジオ・キットを作ろう計画


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いつもお世話になっており、僕も活動会員に入っている札幌のNPO法人、ラジオ少年様が、2010年1月10日から電池管ラジオキット「4S−DC」を発売されるのに先だって、回路図のパーツライブラリーを提供したところ、発売前に1台キットを送って頂き実際に組み立てる機会を得ましたので、その内容の一部をご紹介させて頂きます。写真は実際に雑誌に掲載された写真です。この製作記事は、下記のCQ誌の2010年5月号の79ページから、「電池管ラジオ・キットを作ろう」という題で掲載されております。詳細を知りたい方は、是非とも購入してお読みください!よろしくお願いします!


この製作記事は、CQ出版社から2010年4月19日発売のCQハムラジオ誌5月号に掲載されました。是非とも1冊ご購入くださり、ご覧下さい!よろしく御願いします!


使用真空管は、1R5(周波数変換)、1T4(中間周波数増幅)、1S5(検波&低周波増幅)、3S4(電力増幅)、1H3(同調指示)である。キットでは、同調指示のマジックアイは付属されていませんが、電池管用のマジックアイ1H3の新品が手元に有るので、ただキットを組み立てるだけではおもしろくないので、追加してみることにしました・・・。この1H3は、表示面が丸ではなく、「!」(ビックリマーク)なのがユニークです。詳しくはこちら


電池管用のビックリマークのマジックアイは、僕が入手した当時は1,800円でしたが、現在はかなり高価になっていますが、まだ入手は可能の様です。


これがキット全容である。1月10日(明日)から販売開始という事でした。今までラジオ少年様のラジオキットは、何台か依頼されて修理?(製作?)した事はありますが、自分で最初から組み立てるのは初めてです。頒布価格は税込み7,980円です。(送料別)


CR類のパーツはきちんと台紙に取り付けられ、小学生の頃に僕もラジオキットを購入して組み立てた当時を思い出すのである。


シャーシーも穴開け加工がされており、いつもながら親切な構成である。組み立て説明書が大雑把なので、初心者には詳しい人がいなければ難しいのであるが、さすがに組み立て説明書まで丁寧に作るのは難しいであろう。けれどもあまり親切に組み立て説明書が書いてあると、かえって自分で考えないでそのまま作ってしまうので、僕はこの程度の説明で十分だと思うのですが・・・。しかし、いつもの事ながらここまでキットを作製する努力には、頭が下がる思いなのである。


これがこのキットに含まれている部品全てです。ケースは好みに合わせて、自分で用意しても良いでしょう。


シャーシーに部品を取り付けたところ。これから組み立てると思うと、ワクワクします!バリコンは横向きにも前向きにも取り付けが可能です。


未配線のシャーシー内部の様子。細かな手作業配線なんで、いつもの大型の真空管ラジオとは違って、部品の密度が高いので配置を考えてから配線に取りかかります。ソケットの向きも考慮しなければなりません。回路図はこちら


配線が終了したところ。狭いスペースの中に部品が押し込まれている感じです。通常の真空管ラジオとは違った細かな配線をしなければなりません。とりあえずキットの基本回路で組み立ててみました。内部の部品はトランジスタ回路用なので、小型化されているのですが・・・。


いよいよ電池をたくさん繋げて動作確認です。電池式なんで煙を噴くことはないでしょうけど、ちょっとドキドキです?でも感電には注意です!幸いな事に、音が出ましたが、まだ各種調整をしていないので、感度も悪く音も小さいです。電池管は直熱管なんで、スイッチを入れて1秒以内に音が出るし、ハム音が全く無いのが新鮮です。(トランジスタラジオでは当たり前の事ですが・・・。)それにしても、たかがAMラジオを聴くのに、こんなにたくさんの電池と金額を掛けて聴くのですから、なんと贅沢な事でしょう!今では100円ショップでもAMラジオが買える時代なのですがね!!!(爆)


各種調整後、マジックアイ1H3の配線も追加したところ。これにてはほぼ完成となります。回路図はこちら。測定器がなければ、調整は難しい様です。

調整は、まず局部発振の周波数を調整しなければなりません。局部発振は受信周波数+455KHzですので、受信周波数を520KHz〜1620KHzとすると、局部発振周波数は975KHz〜2075KHzですね。実際は上下に若干余裕を持たせた周波数にします。まずバリコンの羽を全部挿入して、OSCコイルのコアを回して、低い発振周波数(975−αKHz)を合わせます。この発振周波数を測定するのに、OSCコイルにオシロのプローブを付けて、オシロの出力から周波数カウンターに信号を入れて周波数をカウントする場合、プローブの浮遊容量の関係で、プローブを付けた時と外した時に、若干の周波数の変動が見られますので、適当なコイルをOSCコイルに近づけて間接的に発振周波数を読み取るか、又は周波数を直読できる別の受信機をOSCコイルに近づけて無変調の局部発振を受信して、周波数を読み取って調整した方が正確です。低い周波数で調整が終わったら、バリコンの羽を全て出して、高い周波数(2075+αKHz)をバリコンの局部発振側のトリマで調整します。その後また低い周波数を調整し直します。何度か交互に調整して完了です。その後はIFTの調整です。これは低い周波数の放送を受信時にAGC電圧を測定しながら2つのIFTの調整のコアを回して、AGC電圧が最低になる様に調整します。その後高い周波数の放送局を受信し、同調側のバリコンのトリマで、AGC電圧が最低になる様に調整します。こちらも何度か調整すればかなり感度が良くなると思います。またバーアンテナのコイルの位置でも受信周波数が変わりますので、こちらの位置も調整して最適化してください。発振器、オシロスコープ、周波数カウンター、テスターなどの測定器があれば、完璧に調整出来ると思います。紹介した方法はあくまでも初心者向けの簡易的な方法です。これ以上の5球スーパーラジオの調整方法の詳細は、あちらこちらのサイトで掲載されていますので、ご自分で調べてください。こちらもご覧ください。


同調した時のマジックアイの表示。


離調した時の表示。普通のマジックアイと違って、同調していない時に伸びできます。


とりあえず、キット付属のケースに組み込んだところ。電池のスペースがかなりを占めます。スピーカーも出力も小さいので、迫力の音はしませんが、真空管ラジオらしい柔らかな音が聞こえます。直熱管なんで、ケースを指で弾いたりすると、フィラメントが振動し、スピーカーからカーンと音が聞こえます。


ケースの裏側から見たところ。マジックアイが光っているのが見えます。電池の消耗を防ぐ為に、マジックアイの消灯用のスイッチも取り付けました。このケースは立てて使うと不安定なんで、好みで別のケースに組み込んだ方が、かっこいいし安定すると思います。


その後、ラジオ少年様の電池管ラジオ用電源装置を作製し、電池の消耗を気にせずにラジオを楽しんでいます。


その後、これを様々な電池管ラジオに対応出来る様に、この様な回路に改造しました。

読者の方々も、このキットを製作したら、自慢の写真の投稿をお待ちしております。よろしくお願いします!

以上作製時間は約8時間程度・作製費用は約11,000円でした。

誠文堂新光社から2007年11月16日に発売の「真空管ラジオ製作ガイド」と、2008年12月17日発売の「ゲルマラジオ製作徹底ガイド」と、2009年10月22日に発売の「真空管レフレックスラジオ実践製作ガイド」と、CQ出版社から2010年4月19日発売の「CQハムラジオ」の一部を執筆させて頂きました。是非とも1冊ご購入をお願いします!

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