ナショナル「RA−53」修復記
(続)真空管ラジオ修復記 > 自作ラジオとその他のラジオその4 > ナショナル「RA−53」修復記
修理を依頼された、松下電器産業(NATIONAL)の「RA−53」 の修復をして見ました。
修復前の様子。使用真空管は6BE6×2(周波数変換)、6BA6×2(中間周波数増幅)、6AV6×2(検波&低周波増幅)、6BM8×2(低周波増幅&電力増幅)、6Z−E1(同調指示)、6CA4(整流)である。
修復前の内部様子。6BM8が2本と、6CA4が欠品である。内部は埃が溜まっており、年代相応である。底側に回路図が貼ってある。
修復前のシャーシー上部の様子。エアガンで埃を吹き飛ばし、少し綺麗になりました。
前面からシャーシーを見たところ。2つの左右のチューナーは、両方短波付きの2バンドである。昔AM放送2波を使ってのステレオ放送が受信できる仕組みであるが、短波帯でのステレオ放送はやっていない。
修復前のシャーシー内部の様子。上側に左右のチューナー部分と、下側に電源と低周波増幅部分にブロック分けされている。
マジックアイを外そうとしたら、何とブロック型ケミコンの干渉して外せないのである。よくこんな設計で製品化出来たものだ。現在では考えられない設計だ。仕方なくホルダーのネジを外して取り出した。
そのマジックアイの輝度は、明るいのであるが、陰ができる部分に焼けがあって、ご覧の様に輝度が均一ではない。
修復が完了したところ。全てのペーパーコンデンサーを交換しました。ブロック型ケミコンも漏洩電流が大きく危険な為、全て交換しました。ブロック型ケミコンは2個あるので、個数にして7個分とかなりの数になりました。欠品だった真空管3本も中古良品を用意しました。ご希望によりマジックアイ消灯用のスイッチも追加しました。
修復が完了したところ。柔らかな音で鳴ってくれる。レコードプレーヤーを接続して昭和な音楽をお楽しみください。
その後、依頼主の方からレコードプレーヤーと組み合わせた写真を送っていただきました。昭和の音を十分お楽しみください。ありがとうございました。
以上、修復作業時間は約10時間、交換部品代は約8,000円でした。
誠文堂新光社から2007年11月16日に発売の「真空管ラジオ製作ガイド」と、2008年12月17日発売の「ゲルマラジオ製作徹底ガイド」と、2009年10月22日に発売の「真空管レフレックスラジオ実践製作ガイド」と、CQ出版社から2010年4月19日発売の「CQハムラジオ」の一部を執筆させて頂きました。是非とも1冊ご購入をお願いします!
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