ナショナル「EG−896」修復記


(続)真空管ラジオ修復記 > 戦後mT管トランスレススーパーラジオその7 > ナショナル「EG−896」修復記

修理を依頼された、松下電器産業(NATIONAL)の「EG−896」の修復をして見ました。


修復前の様子。レコードプレーヤー付きのトランスレスラジオである。使用真空管は、12BE6(周波数変換)、12BA6(中間周波数増幅)、12AV6(検波&低周波増幅)、35C5(電力増幅)、35W4(整流)である。修復途中で諦めたとの事で、分解された状態で送られてきた。


修復前のプレーヤーの様子。分解してシャーシーを取り出すのが、かなり難しいらしい。ラジオの館にも修復記録があった。


修復前のシャーシー上部の様子。埃まみれでかなり汚い。


修復前のシャーシー内部の様子。事故や修理の跡はない。


裏蓋には、回路図が添付されている。


回路図の隣には、シャーシーの取り出し方法が記載されているが、何故か英語である。輸出仕様であろうか?


全面のパネルはヤニでまっ黄色だったけど、洗浄して大分綺麗になりましたが、完全にはヤニがとれませんでした。


修復が完了したシャーシー内部の様子。全てのペーパーコンデンサーを交換しました。ブロック型のケミコンは、漏洩電流が多すぎて危険な状態でしたので、別のチューブラー型ケミコンに交換しました。安全のために、電源コードも交換しました。シャーシーを取り出したり取り付けたりするのに、やたらと手間が掛かるラジオである。


修復が完了したところ。最初動作確認したところ、音が小さく割れており、いろいろと調べた結果、抵抗1本が断線しており、ボリュームも不良だった。ボリュームを交換するのに、かなり手間が掛かった。またレコードとラジオの切り替えは、上の蓋の開閉で自動的に行われるが、その接点がうまく切り替わらず、調整に苦労した。キャビネットはまだ多少ヤニが残っている。ターンテーブルは回転する様だが、レコードが無いので回転数を確認できない。修復に苦労したラジオ、大切にお使いください。

以上、交換部品代は約2,400円、修復作業時間は約8時間でした。

誠文堂新光社から2007年11月16日に発売の「真空管ラジオ製作ガイド」と、2008年12月17日発売の「ゲルマラジオ製作徹底ガイド」と、2009年10月22日に発売の「真空管レフレックスラジオ実践製作ガイド」と、CQ出版社から2010年4月19日発売の「CQハムラジオ」の一部を執筆させて頂きました。是非とも1冊ご購入をお願いします!


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