ナナオ「NH5R−71」修復記


(続)真空管ラジオ修復記 > 戦後ST管スーパーラジオその4 > ナナオ「NH5R−71」修復記

修理を依頼された、ナナオ無線(NANAOLA)の「NH5R−71」 の修復をして見ました。


修復前の様子。スピーカーパネルがシースルーのガラス板に交換されており、外部スピーカーを接続する様に改造されている。使用真空管は6W−C5(周波数変換)、UZ−6D6(中間周波数増幅)、6Z−DH3A(検波&低周波増幅)、UZ−42(電力増幅)、KX−12F(整流)であるが、整流管にKX−80が刺さっている。これはヒーター電流が4倍も違うので、トランスが過熱し大変危険である!


修復前の内部様子。外から真空管の明かりを楽しむ様に改造されたのであろうか?


ナナオラのラジオだと思ったら、良く見ると昭和26年1月製造、ナナオ無線と記載がある。戦前から有名な七欧無線か?


修復前のシャーシー上部の様子。清掃されており、綺麗な状態である。


修復前のシャーシー内部の様子。一部配線がやり直されており、出力管のカップリングコンデンサーや電源のブロック型ケミコンが交換されているが、他の部品はそのままであるが、安全第一という事で、全ての抵抗やコンデンサーを交換する事にする。一次側が断線し易い出力トランスも交換する事にする。


よく見ると、目盛り盤にはNANAOLA SUPER HETと書いてある。この頃は七欧無線ではなく、ナナオ無線と呼ばれていたのであろうか?


修復が完了したシャーシー内部の様子。安全の為に、全ての抵抗やコンデンサーを交換しました。ガリの有るボリュームも、断線の恐れのある出力トランスも交換してあります。


修復が完了したところ。IFTやOSCの調整ネジが固まっていて動かないので、完全な調整が出来なかったのが残念です。シースルーのおしゃれなラジオで真空管の明かりをお楽しみください。


その後、依頼主の方から写真を送って頂きました。ラッパ型のホーンスピーカーで聞いているそうです。喜んで頂いて、光栄です。ありがとうございました!

以上、交換部品代は約3,500円、修復作業時間は約10時間でした。

誠文堂新光社から2007年11月16日に発売の「真空管ラジオ製作ガイド」と、2008年12月17日発売の「ゲルマラジオ製作徹底ガイド」と、2009年10月22日に発売の「真空管レフレックスラジオ実践製作ガイド」と、CQ出版社から2010年4月19日発売の「CQハムラジオ」の一部を執筆させて頂きました。是非とも1冊ご購入をお願いします!

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