「自作高一中二中波シングルスーパーラジオ」


(続)真空管ラジオ修復記 > 読者様の真空管ラジオのページその6 > 「自作高一中二中波シングルスーパーラジオ」

宮城県のF・O様が製作した自作高一中二中波シングルスーパーラジオです。


今回はIFT の自作に挑戦し、これを用いた高周波増幅1 段、中間周波増幅2 段の中波専用シングルスーパーヘテロダインラジオを試作しましたので紹介させて頂きます。IFT を自作するのにあたっては、CQ 出版社発行「エレキジャックNo.4(2007 年11 月)」のRF 工房に加藤高広氏が発表された「トロイダルコアによる中間周波トランスの製作」記事を参考にさせて頂きました。


構成は、RF 増幅=6BD6、局発/周波数変換=6BE6、IF 増幅1=6BD6、IF 増幅2=6BD6、検波=1N34A(ゲルマニュームダイオード)、AVC=1N34A(検波とは独立)、カソードホロア=6AV6、音声電圧/電力増幅=6GW8、電源整流=6CA4 としました。アンテナコイルと局発コイルは、手元にあったミズホ通信社製5 球スーパーコイル5S-H、RF 出力側コイルは同じくミズホ通信社製の高一コイルRF1-430D(セットになっているアンテナコイルは使用せず)を使いました。6AV6 を用いたカソードホロア回路は、外部パワーアンプの使用も考えて設けたものです。検波およびAVC にはゲルマニュームダイオードを用い、音声増幅部にはラジオではあまり馴染みの無い3 極5 極複合管6GW8 を用いましたが、球数を減らす都合と手持ちの関係でこのようにしました。なお、パワーアンプ部は音質の向上を図るために、出力トランス2次側の8Ω巻線を用いてカソードに若干のNFB を掛けてあります。


また、手持ちに無い部品については、今回も「NPO 法人 ラジオ少年」の原様のお世話になりました。組み立て・配線チェックを完了し、電源を入れましたがどこの放送局も聞こえてきません。さすがに市販されているIFT を使用した場合とは異なり、そう簡単には問屋が卸してくれないようです。仕方がないので腰を据えて調整することにしました。局発OK、 RF 増幅段OK、パワーアンプ段OK、IF2 段目OK、------と調整・確認を進めましたが、どうしてもIF 増幅1 段目の入力側の同調が取れず、ゲインも思ったより小さいようです。んー、配線間違いか部品の不良かといろいろチェックしても異常は見つかりません。結局はトロイダルコアの材質が想定していたものとは違っていたのでした。使用したトロイダルコアには識別色が無いため、購入したお店のボックスに他の材質のものが混入したいたものと思われます(皆さん、パーツ類は必ず元の場所に戻しましょう!)。


本来使用するコアにコイルを巻き直して一件落着です。さすがに高1 中2 です!ゲイン過剰で歪むため、RF 増幅段とIF 増幅1 段目のカソードに共通のゲイン調整用VR を入れるはめになりました。中波専用スーパーラジオはRF 増幅無しのIF 増幅1 段で十分に実用的であり、今回は「過ぎたるは、なお及ばざるが如し」を実感いたしました。ただ、さすがに選択度は良く、夜間でもほとんど混信することはありません。今回自作したIFT の性能は十分であり、市販品と比べてもほとんど遜色が無いと感じました。

投稿して頂いた宮城県のF・O様、ありがとうございました!

誠文堂新光社から2007年11月16日に発売の「真空管ラジオ製作ガイド」と、2008年12月17日発売の「ゲルマラジオ製作徹底ガイド」と、2009年10月22日に発売の「真空管レフレックスラジオ実践製作ガイド」と、CQ出版社から2010年4月19日発売の「CQハムラジオ」の一部を執筆させて頂きました。是非とも1冊ご購入をお願いします!

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