ナナオラ「5M−27」修復記


(続)真空管ラジオ修復記 > 戦後mT管トランスレススーパーラジオその5 > ナナオラ「5M−27」修復記

修理を依頼された、七欧通信機(NANAOLA)の「5M−27」 の修復をして見ました。


修復前の様子。使用真空管は12BE6(周波数変換)、12BD6(中間周波数増幅)、12AV6(検波&低周波増幅)、35C5(電力増幅)、25M−K15(整流)である。特にこの25M−K15と言う整流管は日本独自の球なんで、現在は入手が非常に困難で高価な貴重品です。


修復前の内部様子。埃が積もっている。


キャビネットの下側には、回路図が貼ってある。


修復前のシャーシー上部の様子。埃が凄いが、埃をエアーガンで吹き飛ばしたらさらにビックリ!タールの様に頑固な油汚れがこびりついている。マジックリンで洗浄しても落ちないのである!電源コードは途中から継ぎ足してある。


修復前のシャーシーを前面から見た所。スピーカーも一体になっている。整流管の25M−K15はパイロットランプ点灯用のタップが出ていないので、パイロットランプを点火できないので、このラジオではネオン管がパイロットランプに使われている。


修復前のシャーシー内部の様子。信頼性の低いペーパーコンデンサーがそのまま残っている。ケミコンの漏洩電流を計測したら、流れすぎで危険な状態である。ケミコンも交換が必要である。


ベークのキャビネットは洗浄して汚れが落ちましたが、光沢がなく、くすんだ状態であまり状態はよろしくない様だ。


修復が完了したシャーシー内部の様子。信頼性の低い全てのペーパーコンデンサーを交換しました。ブロック型ケミコンも漏洩電流が多すぎて危険なので、交換しました。出力管35C5のソケットが熱で炭化していてボロボロなんで、こちらも交換しました。途中から継ぎ足してあった電源コードも交換しました。


修復が完了したところ。同調はバリコン直結なんで、少々やりずらい。周波数変換管12BE6が若干劣化して、エミッションの低下が見られます。整流管25M−K15は高価ですので、大切にお使いください。パイロットランプがネオン管なんで、暗いのが少々寂しい・・・。大切に使ってください!

以上、交換部品代は約1,300円、修復作業時間は約4時間でした。

誠文堂新光社から2007年11月16日に発売の「真空管ラジオ製作ガイド」と、2008年12月17日発売の「ゲルマラジオ製作徹底ガイド」と、2009年10月22日に発売の「真空管レフレックスラジオ実践製作ガイド」の一部を執筆させて頂きました。是非とも1冊ご購入をお願いします!

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