シャープ「5E−32」修復記


(続)真空管ラジオ修復記 > 戦後mT管トランス付きスーパーラジオその3 > シャープ「5E−32」修復記

修理を依頼された、早川電機工業(SHARP)の「5E−32」 の修復をして見ました。


修復前の様子。一応、内部の部品などは交換したが、安全に使いたいとの事で、安全点検を依頼された。使用真空管は、6BE6(周波数変換)、6BD6(中間周波数増幅)、6AV6(検波&低周波増幅)、6AR5(電力増幅)、5M−K9(整流)である。


修復前の内部様子。年代相応の汚れであろうか?


修復前のシャーシー内部の様子。修理の跡は見られない。当時のままである。この後、依頼主の方が全ての抵抗とコンデンサーを交換したそうである。


修復前のシャーシー上部の様子。年代相応の汚れであろうか?


シャーシー内部は、依頼主の方がコンデンサーや抵抗類を交換したとの事である。一応鳴るらしいが、安全点検を依頼された。


何と、出力管のカソードの、自己バイアス抵抗のバイパスコンデンサーであるが、350Vの物が付いており、+−が逆になっている。ここは耐圧は50Vで充分ですので交換し、B回路に使用することにする。ケミコンを±逆に付けると、特にB電圧回路では破裂など致命的な事故になります。注意しましょう!


ブロック型ケミコン周りの抵抗も、小さくて心許ないのである。本当は、もっと電力に余裕のある抵抗を使いたいところです。ところで良く見ると、6AV6のプレート不可抵抗直前へ繋がるドロップ抵抗であるが、510KΩが付いている。これは51KΩが付くべきである。1桁間違った値が付いているので、1Wの抵抗に交換しました。ついでに3KΩも5Wの抵抗に交換しておきました。


修復が完了したところ。ボリュームにガリがあるらしいので、分解して接点復活剤で清掃しておきましたが、残留抵抗があり、ボリュームを最小に絞っても少し大きな音がしますが、2回路2接点切り替えスイッチ付ボリュームは入手出来ませんので、このままとしました。豆球が1個球切れで交換しておきました。


修復が完了したところ。各種調整と試験後、問題無さそうなので完了とする。DXとLOCALの切り替えスイッチが後ろに付いており、DXとすると地元の局がガンガン入る。大切にお使いくださいね。

以上、交換部品代は約300円、修復作業時間は約3時間でした。

誠文堂新光社から2007年11月16日に発売の「真空管ラジオ製作ガイド」と、2008年12月17日発売の「ゲルマラジオ製作徹底ガイド」と、2009年10月22日に発売の「真空管レフレックスラジオ実践製作ガイド」と、CQ出版社から2010年4月19日発売の「CQハムラジオ」の一部を執筆させて頂きました。是非とも1冊ご購入をお願いします!

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