ナショナル「4M−1」修復記


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超・久々に落札した、松下無線(NATIONAL)の「4M−1」 の修復をして見ました。


修復前の様子。使用真空管はオリジナルではUY−57(再生検波)、UX−26B(低周波増幅)、UX−12A(電力増幅)、KX−12F(整流)であるが、改造されてUY−57、UY−56、UX−12AK、UX−12Aが刺さっていた。貴重な12Aが2本も入っていたのは、ラッキーである。ツマミが1個欠品である。最近は置き場所が手狭になってきたので、ラジオの落札を避けていたのであるが、戦前のラジオが3千円台と格安だったので、無意識のうちに落札してしまった。出品されていたカテゴリーがラジオで無かったので、競合者が少なかったらしい・・・。


修復前の内部様子。電源SWや、スピーカーの線が切れている。マグネチックスピーカーのコイルも、きっと切れているだろう・・・?


修復前のシャーシー上部の様子。それなりに汚くて、状態はあまりよろしくない。


修復前のシャーシー内部の様子。何か虫の巣の様な白い物が見られる。(気持ち悪い〜!)ソケットがUXからUYに交換改造されている。また同時に電源トランスも交換されている。


底面には、回路図が貼られているが、半分程度失われている。


シャーシーは再塗装の為に、完全に分解しました。洗浄し、サンダーで錆と塗装を剥がして、再塗装を実施します。


シャーシーを再塗装したところ。オリジナルは茶色であるが、スプレーを買いに行くのが面倒だったので、いつものシルバーに塗装した。


マグネチックスピーカーは、予想どおりコイルが断線していたので、コイルを交換しました。コーン紙の破れはなく、良好です!


部品を取り付けたところ。オリジナルの回路に戻すので、電源トランスもいつもお世話になっている、ばざーら製のP215-180と言う製品に交換した。現在1.5V、2.5V、5Vが取り出せる電源トランスは、ここでしか入手できません。トランスが縦型なのが残念ですが・・・。


サランネットも張り替えを実施しました。


電気配線の修復が完了したところ。全ての配線をやり直しています。電源トランスを含め、ほとんどが新品なので、安心して使用出来ます。


修復が完了したところ。オリジナルの回路と球構成に戻しました。ツマミが1個欠品だったので、別のを取り付けたのが残念です。久しぶりに自分のラジオを直しました。でも電源トランスや真空管を交換してあるので、修復費用が高価になってしまいました・・・。下の左側のツマミは再生調整、右側のツマミは、感度と分離を3段階に切り替える、アンテナコイルのタップ切り替えです。結構音量が変わるものですね!ちなみに電源スイッチは、戦前のラジオのお約束の場所の、キャビネット左側面に付いています。

以上、修復作業時間は約15時間、交換部品代は約7,000円でした。

このラジオは、内尾様のページにも修理記録がありました。

誠文堂新光社から2007年11月16日に発売された「真空管ラジオ製作ガイド」の一部を執筆させて頂きました。是非とも1冊ご購入をお願いします!

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