三洋「SS−48」修復記その1


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修理を依頼された、三洋電機(SANYO)の「SS−48」 の修復をして見ました。


修復前の様子。骨董屋さんで購入し、最初は鳴っていたそうであるが、ボリューム調整が出来なくなり交換したら鳴らなくなったらしい。PU切り替えSWの配線が原因であろうか?このラジオの切り替え接点は特殊なので、現在は入手できません。使用真空管は6W−C5(周波数変換)、UZ−6D6(中間周波数増幅)、6Z−DH3A(検波&低周波増幅)、UZ−42(電力増幅)、KX−80BK(整流)である。このラジオは内尾様のこのページにも修理記録があります。


修復前の内部様子。内部はそれなりに汚い状態である。電源コードが途中から別のコードが付いている。出力トランスの2次側から負帰還回路へ戻る線が切れているのは、修理の時に位相を逆に接続して発振でもしたので取り外したのであろうか???


修復前のシャーシー上部の様子。埃をエアガンで吹き飛ばし、かなり綺麗になりました。


修復前のシャーシー内部の様子。当時の部品がそのまま残っている。


ボリュームを交換したそうであるが、このラジオのPU切り替え端子は3点接触の特殊な接点なので、現在のトランスファー接点では使用出来ません。音が鳴らなくなった原因はここでしょう。また他の配線も一部ミスも有りましたので修正しておきました。


回路図はかろうじて残っていた。


修復が完了したシャーシー内部の様子。全ての抵抗類とコンデンサー類を交換し、電源コードとボリューム等も交換してあります。高圧が掛かるトランスのエンパイアチューブも交換しましたので、安心です。また断線が心配な出力トランスも交換してあります。なお、PU切替は出来ません。


修復が完了したところ。各種試験後問題なさそうなので完了とする。是非とも末永く大切にお使いください。

以上、修復作業時間は約7時間、交換部品代は約4,100円でした。

誠文堂新光社から2007年11月16日に発売の「真空管ラジオ製作ガイド」と、2008年12月17日発売の「ゲルマラジオ製作徹底ガイド」の一部を執筆させて頂きました。是非とも1冊ご購入をお願いします!

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