RCA「2-US-7A」修復記


(続)真空管ラジオ修復記 > 自作ラジオとその他のラジオその2 > RCA「2-US-7A」修復記

いつも部品の調達などでお世話になっている国産真空管ラジオ専門店の「ばざーら」の店長さんから修理を依頼された、RCA VICTORの「2-US-7A」 の修復をして見ました。


修復前の様子。使用真空管は12BE6(周波数変換)、12BA6(中間周波数増幅)、6AQ6×2(検波&低周波増幅)、35C5×2(電力増幅)と、よく解らない構成である。真空管が変な所に付いている。どうも電蓄らしき物を改造したらしい。低周波増幅段が2個有るのは、ステレオなのであろうか?6AQ6はあまり馴染みがないが6AV6と同じ様な球で、ヒーターが6.3V/0.15Aである。確かに全ての球のヒーター電圧を合計すると、107.8Vになるのであるが・・・。


どうもオリジナルはこんな形の電蓄で、レコードのターンテーブル部分を取り外してラジオのみに改造したらしい。


修復前の内部様子。真空管がシャーシーの後ろ面に付いている!裏蓋は、ループアンテナになっている。スピーカーが1個なので、ステレオでは無いらしい。では、低周波増幅段はプッシュプル回路なのであろうか?


何でこんな変な所に真空管が付いているのであろうか・・・?


キャビネットの後ろ側。回路図は付いていない。アメリカのラジオらしい・・・。


修復前のシャーシー内部の様子。おやおや、一部のコンデンサーが、フィルムコンデンサーの交換されているが、半分以上は当時のペーパーコンデンサーのままである。途中まで修理したのであろうか?アメリカ製らしく、ヒューズが付いていない。パイロットランプは40V用が2個直列接続で、抵抗で電圧ドロップして電源に直結と、大胆な作りである!


修復前のシャーシー上部の様子。シャーシー上部には、周波数変換の12BE6が付いている。他の真空管は側面に配置されている。何故だろう・・・?


左端の黒い箱の中身は、セレン整流器である。最後に解ったが、実はこのセレン整流器が不良で、鳴らなくなったのである。


修復が完了したシャーシー内部の様子。安全の為に全てのペーパーコンデンサーを交換しました。ヒューズも取り付けてあります。セレン整流器が不良で、シリコンダイオードで整流しています。


修復が完了したところ。ケミコンの漏洩電流は少なかったが、若干ハム音が気になったので、多少容量を追加しました。パイロットランプが、ダイアル目盛りを照らしているのですが、薄暗くてほとんどわからないくらいです。一応、目盛りの数字が浮かび上がっているのがおわかり頂けるでしょうか・・・?

以上、修復作業時間は約4時間、交換部品は現品支給でした。

誠文堂新光社から2007年11月16日に発売された「真空管ラジオ製作ガイド」の一部を執筆させて頂きました。是非とも1冊ご購入をお願いします!

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