ナショナル「BL−240」修復記その2


(続)真空管ラジオ修復記 > 戦後ST管スーパーラジオその3 > ナショナル「BL−240」修復記その2

修理を依頼された、松下電器産業(NATIONAL) の「BL−240」の修復をして見ました。


修復前の様子。ツマミが1個欠品である。使用真空管は、6W−C5(周波数変換)、UZ−6D6(中間周波数増幅)、6Z−DH3A(検波&低周波増幅)、UZ−42(電力増幅)、KX−80BK(整流)、EZ−6E5(同調指示)である。すべてオリジナルのナショナル製が付いていた。マジックアイは点灯せず。真空管は試験したが、残念ながらかなり劣化していた。リサイクルショップで購入し、一応鳴るそうであるが、安全の為にレストアを依頼される。真空管ラジオを安全に使用する為には、点検修理が重要です!また、このラジオは以前にも修理した事があります。詳しくはこちら


修復前の内部様子。内部はある程度清掃がされており、そんなに汚くはない。ナショナルラジオ特有の、豆電球の配線がボロボロで、所々ビニールテープで補修されている。出力トランスが切れた様で、交換されている。


修復前のシャーシー上部の様子。依頼主の方がある程度、清掃して頂いたので、まあまあ綺麗である。


修復前のシャーシー内部の様子。真ん中のボリュームが交換されているが、この機種はスイッチ付きが不要なのに、スイッチ付きが付いている。スイッチは遊んでいる。またツマミがローレッドタイプなのに、交換されたボリュームはネジ止め式なので、ツマミが取り付けられず、どおりで真ん中のツマミが欠品な訳だ・・・。他のコンデンサー類はオリジナルのままで、交換された跡はない。


キャビネットは完全分解し、全面パネルは水で洗浄し、本体は家庭用洗剤で汚れを落とし、サランネットは張り替えを実施し、綺麗になりました。


修復が完成したシャーシー内部の様子。安全の為に全ての抵抗類やコンデンサー類を新品に交換してあります。ボロボロで危険なな配線もすべてやり直しています。電源コードは袋打ちコードと丸形プラグに交換しました。マジックアイは、比較的安いGT管の6E5Cに交換し、ソケットもオクタルに換えてあります。輝度低下防止の為に、後ろ側にマジックアイ消灯用のスイッチを取り付けました。普段は消灯して、輝度低下を防止してお使いください!試験して劣化していた低周波増幅用の真空管、6Z−DH3Aも交換しました。


修復が完成したところ。ツマミは別途、ナショナルのラジオから外した物を使用してます。各種調整後、テストして問題無さそうなので完了とする。大切に末永くお使いください!よろしくお願いします!

以上、修復作業時間は約10時間、交換部品代は約8,600円でした。

誠文堂新光社から2007年11月16日に発売された「真空管ラジオ製作ガイド」の一部を執筆させて頂きました。是非とも1冊ご購入をお願いします!

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