デッドストック新品真空管ラジオ


(続)真空管ラジオ修復記 > 戦後ST管スーパーラジオその1 > デッドストック新品真空管ラジオ

僕が唯一持っている、昭和28年頃製造の貴重なデッドストックの新品ST管真空管ラジオ「ナショナル、QS−800」の内部を紹介しましょう・・・。
このラジオに関しては、JA6JBW前田様の、このページにも紹介があります。


デッドストックだけに、きちんと箱に入っています。さすがに箱はボロボロです。箱の中に紙に包まれたラジオが入っています。残念ながら取り扱い説明書のたぐいは入っていません。


外観はさすがに綺麗です。ボリュームやチューニングツマミなどの動きは、大変スムーズです。


内部の様子。若干の汚れはありましたが、やはり新品だけあって、大変綺麗です。50年以上前の製品には思えません!


シャーシーを取り出した所。ナショナルラジオ特有の豆電球の配線は、経年変化でやはりボロボロで通電するには危険な状態でしたので、これだけは仕方なく交換しました。


シャーシー内部の様子。汚れは少ないです。ペーパーコンデンサーなどは、使われて無くても経年変化で絶縁が低下していましたが、このラジオは使うのがもったいないので、あえて現状のまま部品の交換はしない事にしました。オリジナルを残すか、安全を確保するかで悩ましい所ですね!ケミコンはケミコンテスターで試験しましたが、漏洩電流は少なく良好でした。シャーシーはやはり経年変化で、表面が若干酸化している所もあります。


内部の部品は汚れは少ないですが、やはり古い物です。現状のままでは、長時間の通電はコンデンサーの絶縁不良の為に危険です!


真空管はぴっかぴっかの新品です。もちろんオリジナルなんで、すべてナショナル製です。使用真空管は、左から6W−C5(周波数変換)、UZ−6D6(中間周波数増幅)、6Z−DH3A(検波&低周波増幅)、UZ−42(電力増幅)、KX−80BK(整流)、EZ−6E5(同調指示)です。マジックアイの6E5は写真には写ってません。


裏蓋の後ろ側の検査表の印鑑も鮮明です。キャビネット内部には、回路図も綺麗に残っていました。


一応短時間ではありますが、動作確認をしました。オリジナルのマジックアイも明るく点灯します。調子よく鳴ってくれます!

 秋葉原などで見かけるこの手のST管ラジオは、もちろん中古ですが整備済みで30,000円以上の値段が付いています。このラジオはいくら位の値段が付くでしょうか?この頃売られていた真空管ラジオは、当時の定価は15,000円前後だったハズです。自分はこのラジオは50,000円〜100,000円程度の価値があると思っているのですが・・・。(そんなにしないかー?)ちなみにばざーらの親父さんにこのラジオの話したら、30,000円で買うと言ってくれましたが、当然売りたくはありませんでした。きっと倍以上の値段で、店頭に並ぶ事でしょうね。ちなみにオークションでは、中古のこれと同じラジオが9,250円で落札されていました。僕はこの新品を10,000円で落札出来たのは、超ラッキーです!!!
 現在は中に乾燥剤を入れて、厳重に梱包して保管してあります・・・。次に音を出すのは、いったい何年後になるでしょう・・・?

このラジオはお譲りしません!

★ 真空管ラジオ修復記TOPページへ戻る

inserted by FC2 system