ナショナル「DX−330」修復記


(続)真空管ラジオ修復記 > 自作ラジオとその他のラジオその2 > ナショナル「DX−330」修復記

修理を依頼された、松下電器産業(NATIONAL)の「DX−330」 の修復をして見ました。


修復前の様子。一応鳴るらしいが、末永く安全に使用してゆくために、修理&点検を依頼される。使用真空管は、12SA7−GT(周波数変換)、12SK7−GT(中間周波数増幅)、12SQ7−GT(検波&低周波増幅)、35L6−GT(電力増幅)、35Z5−GT(整流)と、GT管トランスレスラジオの標準構成である。


修復前の内部様子。裏蓋に、ループアンテナが見られる。


修復前のシャーシー上部の様子。セミトランスレス方式で、オートトランスで若干B電圧を昇圧し、またパイロットランプにも点灯している。ACラインの両側にヒューズが付いているが、これもまたとんでもなく大きな電流のヒューズが付いていた。これでは全然役に立ちません。


修復前の内部の様子。当時のままの、ペーパーコンデンサーが汚い。


修復後のシャーシー内部の様子。信頼性の低い、全てのペーパーコンデンサーを交換しました。ケミコンは汚いのですが、漏洩電流も多くなく、このままとしました。電源コードも交換し、ダイアル可動部分も注油して、動きがスムーズになりました。キャビネットは水洗し、すっきりしました。


修復が完了したところ。柔らかな音で鳴ってくれます。真空管は試験しましたが、全体的にかなり劣化している様です。今のうちに、予備を用意することをお薦めします。大切にお使いくださいね!

以上、修復作業時間は約4時間、交換部品代は約1,600円でした。

誠文堂新光社から2007年11月16日に発売された「真空管ラジオ製作ガイド」の一部を執筆させて頂きました。是非とも1冊ご購入をお願いします!

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