ゼネラル「5MA−508」修復記


(続)真空管ラジオ修復記 > 戦後mT管トランスレススーパーラジオその3 > ゼネラル「5MA−508」修復記

修理を依頼された、八欧電機(GENERAL)の「5MA−508」 の修復をして見ました。


修復前の様子。一応鳴る様であるが、安全に使用する為に点検を依頼される。使用真空管は12BE6(周波数変換)、12BA6(中間周波数増幅)、12AV6(検波&低周波増幅)、30A5(電力増幅)、35W4(整流)と、オーソドックスである。


修復前の内部様子。埃がものすごい。2〜3mm程度積もっているかな?


修復前のシャーシー上部の様子。埃をエアガンで飛ばして、かなり綺麗になりました。埃の下はプリント基板でした。


修復前のシャーシー内部の様子。プリント基板であるが、空中配線も見られる。


キャビネットは丸ごと水洗いして綺麗になりました。


電気配線の修復が完了したところ。全てのペーパーコンデンサーとオイルコンデンサーを交換しました。ケミコンはケミコンテスターで漏洩電流を測ったら、外観は良さそうに見えたが、漏洩電流が多すぎて交換する羽目になりました。外観だけでケミコンを判断するのは、危険です!この後通電試験したら、音は鳴るが音量が絞りきれない。可変抵抗器の残留抵抗が絞りきった状態で36KΩもある。このボリュームも2回路A接点の特殊なボリュームなので、現在入手はできません。依頼主の方と御相談しましたが、PU切り替えは使わないとの事で、この後現在入手できる1回路のボリュームに交換し、PU切り替えは殺す事にしました。


ラジオから取り外したボリューム(手前)と、交換するためのボリューム(後ろ)。オリジナルは2回路のA接点で、軸の長さは24mmであるが、現在入手出来るボリュームは1回路のA接点で、軸の長さも短い物しか、簡単に入手出来ません!スイッチ部分のみ新しいボリュームに移植しようと試みたのですが、回転軸が微妙に合わずに残念ながら断念しました。古いボリュームから軸を切って、新しいボリュームの軸を延長して使う事になりました。スイッチが1回路なので、PUには切り替わるのですが、PUにしてもラジオの音を切る事ができません。


修復が完了したところ。問題無さそうなので完了とする。大切にお使いくださいね!

以上、修復作業時間は約6時間、交換部品代は約2,500円でした。

誠文堂新光社から2007年11月16日に発売された「真空管ラジオ製作ガイド」の一部を執筆させて頂きました。是非とも1冊ご購入をお願いします!

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