テレビアン修復記その3


(続)真空管ラジオ修復記 > 戦前〜戦時中〜終戦直後のラジオその1 > テレビアン修復記その3

状態の悪い山中電機(TELEVIAN) 「形式不明」を修復をして見ました。


修復前。やたらと汚い!ツマミが2個欠品。ダイアル窓のセルロイドも欠品。またサランネットも破けて、マグネチックスピーカーもコーン紙が破れている。使用真空管はUZ−57(再生検波)、UY−56(低周波増幅)、UX−12A(電力増幅)、KX−12F(整流)であるが、貴重なUX−12AとKX−12Fがヒーター断線でさんざんな状態!!!


シャーシーの状態。保存状態が悪く、錆と汚れがひどい!


シャーシー内部の様子。電源平滑用のペーパーコンデンサーが、ブロック型電解コンデンサーに交換されている以外は、改造された跡はない。


キャビネット内部の汚れ方もすさまじい!マグネチックスピーカーはコーン紙が破れているので、手持ちの別の物に交換しなければ・・・。


シャーシーは、完全分解の為に、電気配線をすべて取り払う。回路図が貼ってないが、使用真空管が決まれば、回路はそんなに違っていないので、標準の回路で組めば何とかなる。このラジオは真空管ソケットにハトメを使用していないが、ハトメで止めてある物は、裏側から電気ドリルでハトメに穴を開けて、取り外します。(取り付け時には、普通の3mmのネジで固定します)


完全分解後のシャーシー上部。錆と汚れがひどい。とりあえずマジックリンで洗浄する。


再塗装の為に、サンダーで錆を綺麗に落とした所。電動のサンダーが無ければ、手作業では、ものすごく手間が掛かる作業であるが、サンダーを入手してからは、ずいぶん楽になった。


サンダーで錆を落とした後は、左側の水置換性防錆剤で、錆止め処理をしてから、右側の銀色スプレーで、再塗装を実施する。


そんな訳で、シャーシーの再塗装が完了しました。どうです?綺麗でしょう?取り外した部品は、洗える物は綺麗に洗い真空管ソケットなどは、ヤスリで接点部分を磨く。ところで困った事が発生した。主要部品の電源トランスの1次側の導通がないのである。修復が可能か、それとも電源トランスを買う必要があるのか・・・?古典ラジオの電源トランスは、「ばざーら」で3,800円で入手可能ですが・・・。


キャビネットは清掃しサランネットを張り替え、ダイアル飾り窓も再塗装し綺麗になった。ところで、電源トランスは、なんとか修復出来たが、よく見ると交換した跡がある。元々はUY−24B,UX−26B,UX−12A,KX−12Fの構成だったらしい。これがトランスとソケットの交換で、現在の球構成に改造されたらしい。トランスは0−2.5−5−6.3V、5V、230Vの出力であり、ヒーター点火を工夫しなければならない。


電気配線の修復が完成した所。部品も少なくすっきりしている。


修復が完成したシャーシー上部の様子。


修復が完成した所。音はあまり大きくなく、感度も良くない。実はダイアル窓のカバーのセルロイドが欠品である。


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