戦前〜戦時中〜終戦直後のラジオその1


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戦前〜戦時中〜終戦直後(昭和5年〜昭和23年頃)のラジオです。
この頃のラジオは、並三・並四・高一(4ペン)などと呼ばれる、周波数変換しないいわゆるストレート方式と呼ばれるラジオであり、現代のラジオと比べると感度も分離も悪いものでした。スピーカーもマグネチックスピーカーを使用しており、再生調整ツマミを回して、ピューと音をさせながら発振直前に合わせる独特の調整が必要です。真空管もヒーター電圧が2.5V系のが使用されていました。またAVC回路が無いため、電波の強さが、そのまま音量の大きさになります。戦時中のラジオは物資が不足しており、トランスも省略され、作りも大変粗末な物でよく故障した様です。

戦前のラジオは、標準アンテナ(高さ8m 水平部長さ12m)を取り付ける事を前提として設計されておりますので、場所によっては大きなアンテナを付けないとうまく受信出来ない事もあり得ます。(特に鉄筋の建物の場合や、電波が弱い地域など・・・)

★ 修復真空管ラジオ紹介

  5.松下無線(NATIONAL)「国民受信機Z−3」その1

   → 修復内容詳細

  7.メーカー不詳?戦前(第一世代)並四ミゼット型受信機(ナス管使用)、戦後改造品6球スーパー

   → 修復内容詳細

  12.素人組み立て品(岡田ケース)、(第二世代)並四受信機

  13.松下無線(NATIONAL)「放送局型第123号受信機」その1

   → 修復内容詳細

  20.山中電機(TELEVIAN)「国民6号受信機?」 (修理依頼品)

   → 修復内容詳細

  25.早川金属工業(SHARP)「特選 四球」 (修理依頼品)

   → 修復内容詳細

  26.早川金属工業(SHARP)「普及1号?」

  29.山中電機(TELEVIAN)「東邦型5号」 (修理依頼品)

   → 修復内容詳細

  32.山中電機(TELEVIAN)「形式不明」

   → 修復内容詳細

  36.七欧通信機(NANAOLA)「N2号」

  38.メーカー不詳「放送局型第11号受信機」 (修理依頼品)

   → 修復内容詳細

  45.山中電機(TELEVIAN)「M−44」その1 (修理依頼品)

   → 修復内容詳細

  50.原口無線電機(CARAVAN)「M−14」

  54.素人組み立て品「形式不明」

  56.大阪無線(Hermes)「F−8型・規格1号受信機」

   → 修復内容詳細


★ コラムと関連リンク集

★ 戦前並三、並四、高一等ストレート受信機系ラジオその1

★ 戦前並三、並四、高一等ストレート受信機系ラジオその2

★ 戦前並三、並四、高一等ストレート受信機系ラジオその3

★ 戦前並三、並四、高一等ストレート受信機系ラジオその4

★ 戦前並三、並四、高一等ストレート受信機系ラジオその5

★ 戦前並三、並四、高一等ストレート受信機系ラジオその6

★ 戦前並三、並四、高一等ストレート受信機系ラジオその7

★ 戦後ST管5球スーパートランス付き系ラジオその1

★ 戦後ST管5球スーパートランス付き系ラジオその2

★ 戦後ST管5球スーパートランス付き系ラジオその3

★ 戦後ST管5球スーパー トランス付き系ラジオその4

★ 戦後ST管5球スーパー トランス付き系ラジオその5

★ 戦後ST管5球スーパー トランス付き系ラジオその6

★ 戦後ST管5球スーパー トランス付き系ラジオその7

★ 戦後mT管5球スーパートランス付き系ラジオその1

★ 戦後mT管5球スーパートランス付き系ラジオその2

★ 戦後mT管5球スーパートランス付き系ラジオその3

★ 戦後mT管5球スーパートランス付き系ラジオその4

★ 戦後mT管5球スーパートランス付き系ラジオその5

★ 戦後mT管5球スーパートランスレス系ラジオその1

★ 戦後mT管5球スーパートランスレス系ラジオその2

★ 戦後mT管5球スーパートランスレス系ラジオその3

★ 戦後mT管5球スーパートランスレス系ラジオその4

★ 戦後mT管5球スーパートランスレス系ラジオその5

★ 戦後mT管5球スーパートランスレス系ラジオその6

★ 戦後mT管5球スーパートランスレス系ラジオその7

★ 戦後mT管5球スーパートランスレス系ラジオその8

★ 自作真空管ラジオとその他のラジオその1

★ 自作真空管ラジオとその他のラジオその2

★ 自作真空管ラジオとその他のラジオその3

★ 自作真空管ラジオとその他のラジオその4

★ 真空管ラジオ修復記TOPページへ戻る


誠文堂新光社から2007年11月16日に発売の「真空管ラジオ製作ガイド」と、2008年12月17日発売の「ゲルマラジオ製作徹底ガイド」と、2009年10月22日に発売の「真空管レフレックスラジオ実践製作ガイド」と、CQ出版社から2010年4月19日発売の「CQハムラジオ」の一部を執筆させて頂きました。是非とも1冊ご購入をお願いします!


5.松下無線(NATIONAL)「国民受信機Z−3」その1 (落札価格9,450円+修復費用約6,500円・修理ランクA、修復自己満足度点数70点)

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昭和12年(1937年)頃製造、ST管トランス付き、高周波1段増幅(高一)ストレート方式(2.5V管使用)
使用真空管 : UY−57S(高周波増幅)、UY−24B(再生検波)、3Y−P1(電力増幅)、KX−12F(整流)
オリジナルの真空管はUY−24B、UY−24B、UY−47B、KX−12F(ソケットの刻印より)
レストア内容 : ペーパーコンデンサー&抵抗全数交換、全配線やり直し、チョークコイル交換、マグネチックスピーカー巻き直し、真空管一部交換、ツマミ取り付け、他清掃
 初めて手がけた戦前の並四機。シャーシーのサビがひどかった。修復は大変苦労した。ツマミが欠品していたので、後ほど古典ラジオに似合うサトーパーツK−2056というツマミを取り付けた。修復に関して、詳しくはこちら。現在は厳重に梱包して冬眠中!(保守球一式確保済み)

国民受信機Z−3回路図

最近のオークションでは同じ物がそれぞれ8,800円と、26,000円と、9,750円で落札されていました。

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7.メーカー不詳?戦前(第一世代)並四ミゼット型受信機(ナス管使用)、戦後改造品6球スーパー(落札価格7,000円+修復費用約8,000円・修理ランクA、修復自己度満足点数85点)

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昭和10年(1935年)頃製造、戦後6球スーパー方式に改造された物。
使用真空管 : 6W−C5(周波数変換)、UZ−6D6(中間周波数増幅)、6Z−DH3A(検波&低周波増幅)、UZ−42(電力増幅)、KX−80K(整流)、EZ−6E5(同調指示)で組み直し
オリジナルの真空管は UX−112A、UY−227、不明、不明とナス管使用らしい(ソケットの刻印より)
レストア内容 : ペーパーコンデンサー&電解コンデンサー&抵抗全数交換、全配線やり直し、シャーシー再組み立て、ボリューム交換、再組み立て、他清掃
 戦前のナス管並四が、戦後残念ながら6球スーパーに改造されたらしい。それもUY−56が入っているなんとも変な回路。
現状でも鳴るという事で買ったが、内部を見るととても恐ろしくて通電する気にはならなかった。この際シャーシーからすべて作り直してしまえという気になった。詳しくはこちら
 現在は居間に古いオブジェの実用機として活躍中。中身はほとんど新品なんで、絶好調!ついでにマジックアイも外に付けた。(保守球一式確保済み)

標準トランス付き5球スーパー回路図

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12.素人組み立て品(岡田ケース)、(第二世代)並四受信機(落札価格4,200円+修復費用約7,000円・修理ランクA、修復自己満足度点数85点)



昭和21年(1946年)頃製造、ST管トランス付き、並四ストレート再生検波方式(1.5V/2.5V/5V管使用)
使用真空管 : UZ−57(再生検波)、UX−26B(低周波増幅)、UX−12AK(電力増幅)、KX−12F(整流)
レストア内容 : 全抵抗・全コンデンサー交換、全配線やり直し、キャビネット&シャーシー再塗装、電源トランス交換、マグネチックスピーカー巻き直し、サランネット張り替え、キャビネット再塗装、他清掃
 終戦直後の混乱期に戦前の部品と回路で素人かラジオ屋が組み立てたと思われる第二世代(国策型)の並四受信機である。回路的には昭和14年前後に盛んに作製された回路であるが、内部の部品から見て戦後混乱期の物と判断した。内部を見ると、部品と穴が合ってなかったりするので組み立て品らしい。8インチの標準のマグネチックスピーカーでさえも、シャーシーにぶつかってケースに収まりきれない。またこのマグネチックスピーカーのコーン紙が破れているが、コイルはめずらしく導通があった。少しシャーシーに錆が見られたので、再塗装した。キャビネットも再塗装により見違える様になった。ただ電源トランスの1次巻線が切れかかっていて、新品に交換した。また周波数目盛りが逆で、通常は時計回りで周波数が増加するのに、このラジオの表示は逆である。よって指針の周波数も逆で全然合っていない。何故かは全然わからない?パイロットランプは明るくポリシーにより2.5V0.3A球を2個使用。
意外と安く落札できたが、その分修復はお金が掛かった。現在は冬眠中!(保守球一式確保済み)

戦前並四型回路図2

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13.松下無線(NATIONAL)「放送局型第123号受信機」その1 (落札価格5,350円+修復費用約6,000円・修理ランクA、修復自己満足度点数90点)

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昭和18年(1943年)3月製造、ST管トランスレス、高周波1段増幅(高一)ストレート方式(STレス管使用)、当時の定価57円60銭
使用真空管 : 12Y−V1(高周波増幅)、12Y−R1(再生検波)、12Z−P1(電力増幅)、24Z−K2(整流)、B−37(安定抵抗管)
レストア内容 : 全抵抗・全コンデンサー・高一コイル・ボリュム交換、全配線やり直し、シャーシー再塗装、問題のあるヒーターの接続順を変更、キャビネット虫食い補修
 戦時中、金属材料の省資源という名目でNHKが規格を制定し、各ラジオメーカーが同じ回路・デザイン・価格で作製・販売していたという噂の戦時中標準機の放送局型第123號受信機である。一度手に入れたかったがやっとお手頃価格で落札出来た。いつもはもっと高値になるのに・・・。でも最近、オークションで、真空管ラジオの値段が高騰してますねぇ?資源節約受信機で、やっぱり作りは粗末。キャビネットの虫食いがひどく粉が多数出てくるが、シャーシーの保存状況は良く錆もない。マグネチックスピーカーのコイルも切れていないし、安定抵抗管も切れていなかった。改造の痕もなく、とてもラッキーである。ひょっとするとこのまま鳴るのではないかと思われる状態。(もちろん、いきなり通電は絶対にしませんが・・・)このラジオは金属資源を節約するためにトランスが省略され、配線の線材まで節約するあまり回路設計上に問題があり、真空管のH−Kに高電圧が掛かり、真空管やケミコンなどがすぐに故障したそうです。NHKがラジオの規格・回路を設定して、全メーカーが同じ物を作ったって、すごいですねぇ〜。戦争中はなんでもありって事ですかねぇ?戦時中の暗い遺産のラジオである。
 パイロットランプは明るくポリシーにより6.3V0.15A球を使用。修復に関して、詳しくはこちら。トランスレスの為、ノイズに弱く感電の危険もあるので、外付けでノイズフィルターと絶縁トランスを取り付けて使用する事にした。現在は厳重に梱包して冬眠中!(保守球一式新品にて確保済み)

放送局型第123号受信機回路図

 最近のオークションでは同じ物が、7,100円で落札されていました。

この局型レスに関しては、内尾様のページに詳しく紹介されています。詳しくはこちら
また実物はNHK放送博物館に展示してあります。お近くの方は是非訪問されて見ては如何でしょうか?大変おもしろかったですヨ。

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20.山中電機(TELEVIAN)「国民6号受信機?」 (修理依頼品・修復費用約5,500円・修理ランクA、修復自己満足度点数85点)

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昭和15年(1940年)頃製造高一ストレート再生検波方式、戦後5球スーパー改造品
使用真空管 : UZ−6D6(高周波増幅),UZ−6C6(再生検波)、6Z−P1(電力増幅)、(ダイオード整流)
レストア内容 : シャーシー再塗装、全配線やり直し、6.3V管にて高一回路に復元、ダイオード整流へ変更、スピーカー&出力トランス交換、他清掃
 修理を依頼されたラジオであるが、戦前の高一ラジオが戦後に5球スーパーに改造された物と思われる。挿してあった真空管は中間周波数増幅にUZ−6D6の代わりに戦前の2.5V管のUZ−58が使用されていたので、元々はこの球を使用していた高一ラジオだったのと推測される。ただし出力管の場所に、通常は6Z−P1あたりが挿さっている所に6Z−DH3Aが挿して有るのは全然わからず。整流管も欠品であることから、素人が訳もわからずに適当な真空管を挿しておいた物であろう。下の3つのツマミも、左端のは配線がされておらず、オリジナルらしい昔の100KΩの大型可変抵抗器が付いていた。修復に関して、詳しくはこちら。現在は依頼人宅で毎日活躍中?

戦後型高周波1段増幅4球回路図

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25.早川金属工業(SHARP)「特選 四球」修理依頼品・修復費用約3,000円・修理ランクA、修復自己満足度点数90点)

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昭和13年(1938年)6月製造、ST管トランス付き、並四ストレート再生検波方式(1.5V/2.5V/5V管使用)
使用真空管 : UY−56(再生検波)、UX−26B(低周波増幅)、UX−12A(電力増幅)、KX−12F(整流)
レストア内容 : マグネチックスピーカー巻き直し&再塗装、シャーシー再塗装、全配線やり直し、全抵抗・全コンデンサー交換、他清掃&点検
 戦前の並四ラジオにしては保存状態も良く、シャーシーも錆も無く良好である。マグネチックスピーカーのコイルが断線していたのが、致命傷。他に火を噴いた跡があった。修復に関して、詳しくはこちら。現在は依頼人宅で毎日活躍中?

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26.早川金属工業(SHARP)「普及1号?」 (落札価格2,400円・修復費用約11,000円・修理ランクA、修復自己満足度点数75点)



昭和15年(1940年)頃製造、ST管トランス付き、並四ストレート再生検波方式
使用真空管 : UZ−57(再生検波)、UY−26B(低周波増幅)、UX−12A(電力増幅)、KX−12F(整流)
レストア内容 : シャーシー再塗装、全配線やり直し、マグネチックスピーカー交換、電源トランス交換、真空管交換、裏蓋製作、他清掃
 局型レス123号に似たデザインであるが、内部はトランス付きである。真空管に欠品があるので安く落札できた。刺さっていた真空管は何とUY−56と12Z−P1とめちゃくちゃ!戦後に真空管不足時代に改造されたのか?ヒーター電圧が全然違うがどうなってるのだろう?興味があるが修復は大変そう。マグネチックスピーカーはフレームだけ付いており、磁石とコイル部分が無い。詳細は調査中。思ったより状態が悪かった。修復は底面に張ってある回路図通りに再現した。音はあまりよろしくなく、電話の様な音であるが、これが本来の音だったんだろう?電源トランスが新品なので、安心して通電できる。ダイアル表示窓が、やや曇っていて、あまりはっきり見えない。結合回路は、CR結合と低周波トランス結合の2重結合となっている。現在は冬眠中!(保守球一式確保済み)

戦前型並四回路図2

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29.山中電機(TELEVIAN)「東邦型5号」 (修理依頼品・修復費用約3,000円・修理ランクA、修復自己満足度点数90点)

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昭和14年(1939年)頃製造、ST管トランス付き、並四ストレート再生検波方式
使用真空管 : UZ−57(再生検波)、UY−56(低周波増幅)、UX−12A(電力増幅)、KX−12F(整流)
レストア内容 : マグネチックスピーカー巻き直し&再塗装、シャーシー再塗装、全配線やり直し、全抵抗・全コンデンサー交換、サランネットも張り替え、他点検&清掃
 キャビネットや、シャーシーの保存状態も大変良く埃一つ無い。内部は修理の痕が有ったが、改造されてなくて良かった。いつもの様にシャーシーは完全分解して再塗装後、配線し直した。修復に関して、詳しくはこちら。(保守球一式、新品と中古にて確保済み)現在は依頼人宅で毎日活躍中?

戦前型並四回路図3

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32.山中電機(TELEVIAN)「形式不明」 (落札価格4,100円+修復費用6,000円・修理ランクA、修復自己満足度点数75点)

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昭和14年(1939年)頃製造、ST管トランス付き、並四ストレート再生検波方式
使用真空管 : UZ−57(再生検波)、UY−56(低周波増幅)、UX−12A(電力増幅)、KX−12F(整流)、(元々はソケットの刻印から、UY−24B,UX−26B,UX−12A、KX−12Fの構成だったらしい)
レストア内容 : シャーシー再塗装、不良真空管交換、全抵抗・コンデンサー交換、全配線やり直し、サランネット張り替え、他点検&清掃
 シャーシーは錆びていて、あまり保存状態が良くなかった。下のツマミ2個が欠品だった。トランスとソケットか交換されて、改造された跡が見られる。真空管をチェックした所、貴重な出力管のUX−12Aと、整流管のKX−12Fがヒーター切れでショックだった。修復に関して、詳しくはこちら。現在は冬眠中!(保守球一式確保済み)

戦前型並四回路図3

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36.七欧通信機(NANAOLA)「N2号」 (落札価格6,500円・修復費用約3,000円・修理ランクA、修復自己満足度点数85点)



昭和14年(1939年)頃製造、ST管トランス付き、並四ストレート再生検波方式
使用真空管 : UZ−57(再生検波)、UY−56(低周波増幅)、UX−12AK(電力増幅)、KX−12F(整流)
レストア内容 : シャーシー再塗装、全抵抗・コンデンサー交換、全配線やり直し、サランネット張り替え、バリコン羽補正、他点検&清掃
 状態はまあまあ。真空管も何とか使えそうなレベルであった。内部はシャーシーが手狭で戦前の真空管ラジオにしては部品の実装密度が高い。キャビネットは磨いたらかなり美しくなった。バリコンの羽がショートで補正。

戦前型並四回路図3

 最近のオークションでは、同じ物が12,845円で落札されていました。

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38.メーカー不詳「放送局型第11号受信機」 (修理依頼品・修復費用約3,500円・修理ランクA、修復自己満足度点数90点)

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昭和17年(1942年)頃製造、ST管オートトランス付き、並三ストレート再生検波方式、当時の定価30円70銭
使用真空管 : UZ−57(再生検波)、UY−47B(電力増幅)、KX−12F(整流)
レストア内容 : シャーシー再塗装、全抵抗・コンデンサー交換、全配線やり直し、マグネチックスピーカー巻き直し&再塗装、他点検&清掃
 保存状態は良かった。サランネットやキャビネットも大変綺麗である。改造もされていなかったし真空管も全て使えた。修復に関して、詳しくはこちら。現在は依頼人宅で毎日活躍中?

放送局型第11号受信機回路図

 最近のオークションでは同じ物が、10,000円で落札されていました。

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45.山中電機(TELEVIAN)「M−44」その1 (修理依頼品・修復費用約3,500円・修理ランクA、修復自己満足度点数85点)

  ← クリックすると、修復内容詳細がご覧になれます。

昭和10年(1935年)頃製造、ST管トランス付き、並四ストレート再生検波方式
使用真空管 : UY−24B(再生検波)、UX−26B(低周波増幅)、UX−12A(電力増幅)、KX−12F(整流)
レストア内容 : シャーシー再塗装、全抵抗・コンデンサー交換、全配線やり直し、サランネット張り替え、整流管中古へ交換、他点検&清掃
 貴重なミゼット型ラジオで、内部は改造もされていなくオリジナル。保存状態は年代を考えると良い方である。幸いにも、マグネチックスピーカーも段間トランスも断線していなかった。修復に関して、詳しくはこちら。現在は依頼人宅で毎日活躍中?

 最近のオークションでは同じ物が、15,300円で落札されていました。

M−44回路図

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50.原口無線電機(CARAVAN)「M−14」 (落札価格6,000円・修復費用約2,000円・修理ランクA、修復自己満足度点数80点)



昭和22年(1947年)頃製造、ST管トランス付き、高周波1段増幅(高一)ストレート方式
使用真空管 : UZ−6D6(高周波増幅)、UZ−6C6(再生検波)、6Z−P1(電力増幅)、KX−12F(整流)
レストア内容 : 全抵抗・全コンデンサー交換、全配線やり直し、シャーシー再塗装、サランネット張り替え、他点検&清掃
 50台目の記念という事もあって、久々に自分のラジオを落札してしまった。売り主は通電してなにやら音が出たそうであるが、自分にはそんな勇気はない?戦後直後の復興・混乱期のラジオである。キャビネットの状態は良く、虫食いも大きな傷も無い。内部は紙ケースのブロック電解コンデンサーが交換と何故か高一コイルがスターの物に交換されているだけで、大きな改造はなく良かった。電源トランスの取り付けが甘く、唸り音が気になる。それと再生ツマミがオリジナルでないのが非常に残念である。マグネチックスピーカーはコイルの断線もなく良好だった。青いダイアル窓が新鮮でおしゃれである?現在は冬眠中!(保守球一式新品にて確保済み)

戦後型高周波1段増幅4球回路図

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54.素人組み立て品「形式不明」 (落札価格4,200円・修復費用約5,000円・修理ランクA、修復自己満足度点数75点)



昭和23年(1947年)頃製造、ST管トランス付き、並四ストレート再生検波方式
使用真空管 : UZ−57(再生検波)、UX−26B(低周波増幅)、UX−12A(電力増幅)、KX−12F(整流)
レストア内容 : 全抵抗・全コンデンサー交換、真空管交換、全配線やり直し、シャーシー再塗装、サランネット張り替え、スピーカー交換、ツマミ交換、他点検&清掃
 内部のシャーシーはアルミ製で、終戦直後に素人が組み立てたラジオであると推測される。キャビネットに虫食いは無いが、板が薄くて粗末である。整流管のKX−12Fが欠品、マグネチックスピーカーは磁石とコイル部分が欠品である。内部に、昭和25年の中部配電のラジオ容量検査票が張ってある。スピーカーは現在、マグネチックスピーカーのまともな物の在庫がないので、残念だがダイナミックスピーカーに交換した。ツマミが汚かったので、古典ラジオに似合うサトーパーツK−2056というツマミに交換した。また、残念な事にUX−26Bがエミ減で交換した。裏蓋は反りが激しく、状態はあまり良くない。電源コードは、いつもの新品の袋打ちコードと丸形プラグに交換した。現在は冬眠中!(保守球一式確保済み)

戦前型並四回路図2

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56.大阪無線(Hermes)「F−8型・規格1号受信機」 (落札価格4,200円・修復費用約2,000円・修理ランクA、修復自己満足度点数80点)

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昭和18年(1943年)製造、ST管トランス付き、並四ストレート再生検波方式
使用真空管 : UZ−57A(再生検波)、UY−56(低周波増幅)、UX−12A(電力増幅)、KX−12F(整流)
レストア内容 : シャーシー再塗装、全抵抗・コンデンサー交換、全配線やり直し、サランネット張り替え、他点検&清掃
 デザイン的にはあまりカッコ良くない。シャーシー内部の汚れは、年代相応であろうか?改造の跡は見られないが、挿さっていた真空管は、比較的後期の物だったので、交換されたらしい。ヒーター切れはなし。裏蓋が欠品。修復に関して、詳しくはこちら。現在は冬眠中!(保守球一式確保済み)

戦前型並四回路図3

 最近のオークションでは同じ物が4,200円で落札されていました。

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エリミネーターラジオに関しては、こちらをご覧ください!


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不明なラジオの用語は、新ラジオ用語辞典を参照ください。
ラジオの歴史は、ラジオ歴史館を参照ください。

誠文堂新光社から2007年11月16日に発売の「真空管ラジオ製作ガイド」と、2008年12月17日発売の「ゲルマラジオ製作徹底ガイド」と、2009年10月22日に発売の「真空管レフレックスラジオ実践製作ガイド」と、CQ出版社から2010年4月19日発売の「CQハムラジオ」の一部を執筆させて頂きました。是非とも1冊ご購入をお願いします!



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