ゼネラル「5MA−479」修復記その1


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修理を依頼された、八欧電機(GENERAL)の「5MA−479」 の修復をして見ました。


修復前の様子。汚れ方は年代相応である。オーソドックスなレス機である。使用真空管は12BE6(周波数変換)、12BD6(中間周波数増幅)、12AV6(検波&低周波増幅)、30A5(電力増幅)、35W4(整流)である。八欧電機の最後の頃の製品であろう。


修復前の内部の様子。見た目は普通である。この頃のラジオの特徴として、真空管が水平に配置されている。


修復前のシャーシー内部の様子。ペーパーコンデンサーが黒くなっていて、どうも怪しい。


プラスチックキャビネットはいつものとおり、水洗いしました。レス機はキャビネットの水洗いが出来るので、綺麗になります。また透明なダイアル目盛り板は内側に曇りがあって、コンパウンドで磨いて曇りを取りました。


修復が完成したシャーシー内部の様子。すべての抵抗とペーパーコンデンサー&電解コンデンサーを交換しました。電源のブロックコンデンサーは、電解液がかなりしみ出て来ていました。危険な信号です。何故かパイロットランプに6V/3Wの電球が付いており、ヒューズは3Aが付いていました。いや〜な予感が・・・。パイロットランプは6.3V/0.15Aの物に、ヒューズは0.6Aの物に交換しました。ダイアル糸も張り直し、可動部分も潤滑剤を塗って、動きが良くなりました。ボリュームはガリ防止の為に、接点復活剤で清掃してあります。またB電圧ドロップの抵抗が、回路図では40Ωなのに、実際には1KΩが付いていた。レス機にしては、ちょっと大きすぎる気がするが・・・。(写真はダイアル目盛りの目隠し板をまだ取り付けていない状態です。)


修復が完成した所。実は最初に電源を入れると、パイロットランプが一瞬にして切れてしまいました。原因は35W4のパイロットランプのタップのヒーターの断線でした。考察するに何かの事故でヒューズが飛び、ヒューズを交換しましたが3Aと大きなヒューズなので、今度はヒューズが飛ぶ前に35W4のヒーターが断線し、パイロットランプも切れてしまいました。ここで電源は入らなくなりますが、パイロットランプに6V/3Wの大きな物に交換され、何とか通電された様です。あ〜恐ろしい・・・!という訳で、貴重な35W4ですが、仕方なく交換しました。ダイアル目盛りがかなりずれており、調整を実施して一致する様になったが、受信感度は調整してもイマイチである。1時間程テストして、問題がなさそうなので完了とする。大切に末永くご愛用ください!

以上ここまでの修復作業時間は、約5時間程度でした。

このラジオは、もう1台修理しました。詳しくはこちら

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