ナショナル「BX−300」修復記


(続)真空管ラジオ修復記 > 戦後mT管トランスレススーパーラジオその2 > ナショナル「BX−300」修復記

修理を依頼された、松下電器(NATIONAL)の「BX−300」 の修復をして見ました。


修復前の様子。外観はごくありふれたmT管レス機である。使用真空管も12BE6(周波数変換)、12BA6(中間周波数増幅)、12AV6(検波&低周波増幅)、30A5(電力増幅)、35W4(整流)と、一欄的な構成である。残念ながら、正面のナショナルのエンブレムが欠品である。


修復前の内部様子。依頼主の方が清掃されたとの事で、汚れもなく大変綺麗な状態である。電源が入らないらしいが、心配される真空管のヒーター切れはなかった。では、原因は?


修復前のシャーシーの様子。保存状態が良かったのか汚れはほとんど無い。


修復前のシャーシー内部の様子。ペーパーコンデンサーが絶縁不良で発熱してパラフィンが溶けている物も見られるが、大きな事故は起こった跡は見られない。何故かパイロットランプに3V/0.3Aの球が付いている。35W4の場合は6.3V/0.15Aの球を使用するのが正しいですので、交換する事にしました。


修復後のシャーシー内部の様子。全てのペーパーコンデンサーを交換しました。電源の入らなかった原因は、ヒーター回路に直列に入っていたドロップ抵抗の断線で、交換しました。側面のイヤホンジャックの接点が不良で補正しました。ダイアル可動部分は潤滑剤を塗って、動きがスムーズになりました。バンド切り替えのロータリーSWも接点を磨きました。


修復が完了したところ。ボリュームのガリも無く、良好である。テストして問題無さそうなので完了とする。依頼主の方は、PU端子にレコードプレーヤーを付けて楽しみたいとの事でした。是非とも当時の音でレコードやラジオを楽しんでください!

以上、ここまでの修復作業時間は約4時間でした。

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