ナショナル「AX−440」修復記


(続)真空管ラジオ修復記 > 戦後mT管トランスレススーパーラジオその2 > ナショナル「AX−440」修復記

修理を依頼された、松下電器(ナショナル)の「AX−440」 の修復をして見ました。


修復前の様子。使用真空管は、12BE6(周波数変換)、12BA6(中間周波数増幅)、12AV6(検波&低周波増幅)、30A5(電力増幅)、35W4(整流)と、一般的な構成である。何故か形式を示す記載が何処にも見あたらない。松下電器に問い合わせた所、「AX−440」と判明しました。感謝!


裏蓋もしっかりしています。


修復前の内部様子。年代相応の汚れであろうか・・・?依頼主の方が通電チェックしたらしいが、1局しか受信できず、感度も悪いそうである。IFTの不良か、局部発振のずれか、調整不良であろうか?


修復前のシャーシー上部の様子。使用されている真空管のうち、整流管の35W4だけが異常に汚れている。中華料理屋さんの換気扇並に油汚れでベトベトである。他の真空管は汚れていないので、差し替えられた物であろう。この1本の真空管の洗浄だけで、10分以上かかりました。


修復前のシャーシー内部の様子。ペーパーコンデンサーは数個しか使われていない。複合部品も使われていて、部品点数は少ない。


キャビネットは完全分解して洗浄し、すっきり綺麗になりました。ダイアル指示板の内側は、汚いので塗装を剥がしてクリーム色に再塗装する事にしました。


修復が完了したシャーシー内部の様子。すべてのペーパーコンデンサーを交換しました。ケミコンはテストして良好でしたので、このまま使用することにします。パイロットランプは、切れると35W4に負担が掛かるので新品に交換し、ゴムブッシュも劣化してたので新品に交換しました。


修復が完了したところ。調整したらだいぶ感度が良くなった。1時間程度テストして問題無さそうなので完了とする。大切にお使いください!

このラジオの修理依頼者の方のブログはこちらです。併せてごらんください。

以上、修復作業時間は約6時間でした。

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