8A-2修復記


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<165番のラジオの修復内容詳細>

1.修復前の様子。(写真1)国産真空管ラジオ専門店の「ばざーら」さんからの修理依頼品である。お店を訪問したところ、「これ、直さない?」と、店頭のラジオの修理を依頼された!使用真空管は、UZ−6D6(高周波増幅)、6W−C5(周波数変換)、UZ−6D6(中間周波数増幅1)、UZ−6D6(中間周波数増幅2)、6Z−DH3(検波&低周波増幅)、UZ−6C6(AVC増幅)、UZ−42(電力増幅)、KX−80(整流)と、お化けの様な豪勢な作りのラジオである。ナショナルでの最高級機種である。受信周波数は中波が550KHz〜1500KHz、短波1が3.0MHz〜8.0MHz、短波2が8.0MHz〜22MHzである。

2.修復前の内部様子。(写真2)何とほとんどの真空管がシールドされている。ST管では珍しい3バンドのラジオである。使用している真空管は8球、パイロットランプも8球と恐ろしく贅沢である。いったいいくらだったんでしょう?

3.銘板もこのとおり・・・。(写真3)昭和24年7月製造とある。戦後、GHQの占領統治もあと2年を残すこの頃に、こんな高級ラジオを購入できる人達は、どんな階級だったのであろうか・・・?

4.修復前のシャーシー上部の様子。(写真4)ダイアル目盛りは、後ろから照らす仕組みになっている。

5.修復前のシャーシー上部の様子。(写真5)右側の四角い2つは、何と電源平滑用のペーパー・ブロックコンデンサーである。この頃もまだケミコンが使われて居なかったとは、驚きである。

6.修復前のシャーシー内部の様子。(写真6)一度修理の手が入っている様だ。検波&低周波増幅管が、6Z−DH3から6Z−DH3Aに変更されている。

7.3バンドなので、バンド切り替えスイッチは、一体型のコイルパックを使っている。(写真7

8.電源平滑用のペーパーコンデンサーに変わって、ブロック型のケミコンが後付けされている。(写真8)また電源スイッチ兼用のボリュームが、交換されているが、何と引っ張ってスイッチが入る物に変更されている。何と不釣り合いな・・・。

9.修復が完了したシャーシー内部の様子。(写真9)安全の為に、全ての抵抗とコンデンサー類を交換してあります。電源コードも交換しました。電源スイッチ兼用のボリュームも回して電源が入る初期のタイプに交換しました。検波&低周波増幅管も、オリジナルの6Z−DH3に戻しました。

10.修復が完了したところ。(写真10)各種試験を実施して問題無さそうなので完了とする。さすが最高級ラジオである。感度も抜群の様である。お店で見かけたら、見てくださいね!?

パソコン版の詳細な修復内容はこちらです。(PC版なので、携帯からは重たいです!注意!)

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