ナショナル「UM−660」修復記その1


(続)真空管ラジオ修復記 > 戦後mT管トランス付きスーパーラジオその4 > ナショナル「UM−660」修復記

修理を依頼された、松下電器産業(NATIONAL)の「UM−660」 の修復をして見ました。


修復前の様子。通電確認したら、1分程度で音が出なくなったとの事で、修理&点検にやってきた。使用真空管は、6BE6(周波数変換)、6BD6(中間周波数増幅)、6AV6(低周波増幅)、6AR5(電力増幅)、6X4(整流)、EZ−6E5(同調指示)である。マジックアイの消灯用のスイッチがついているので、輝度は残っているか期待される。


修復前の内部様子。清掃されていて、かなり綺麗な状態である。ナショナルラジオ特有の、豆球の配線がボロボロである。


マジックアイの輝度はご覧のとおり、薄暗い所では見える程度であった。


修復前のシャーシー上部の様子。それなりに埃が出てきた。ダイアル糸が伸びて緩んでいて空回りするので、糸を張り替える事にする。


修復前のシャーシー内部の様子。事故や修理の跡は見られないオリジナルな状態である。


修復が完了したシャーシー内部の様子。全てのペーパーコンデンサーを交換しました。ケミコンは漏洩電流を測定したところ、良好でしたのでこのままとしました。この頃の出力トランスは巻き線の材質もかなり改善されて断線も少なくなったので、交換はしてません。故障の原因はトランス上部のヒューズホルダーの接触不良でしたので、ヤスリで磨いて改善しました。ボリュームはガリも無く良好でした。


修復が完了したところ。各種試験と調整後、問題無さそうなので完了とする。一部真空管が劣化してましたので、音が小さくなったら交換お願いします。マジックアイは輝度の劣化を防止するために、普段は消灯してください。では大切に末永くお使いください。

以上、交換部品代は約1,800円、修復作業時間は約8時間でした。

それ以降、このラジオと同機種を修理しました。詳しくはこちら

誠文堂新光社から2007年11月16日に発売の「真空管ラジオ製作ガイド」と、2008年12月17日発売の「ゲルマラジオ製作徹底ガイド」と、2009年10月22日に発売の「真空管レフレックスラジオ実践製作ガイド」と、CQ出版社から2010年4月19日発売の「CQハムラジオ」の一部を執筆させて頂きました。是非とも1冊ご購入をお願いします!

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