東京ラジオ普及社「レフレックス・ラジオ」修復記
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修理を依頼された、東京ラジオ普及社製の「レフレックス・ラジオ」 の修復をして見ました。
修復前の様子。4つ足付きの高級古典レフレックス・ラジオである。最初はAC電源のエリミネーターかと思ったら、元々がUX−201Aを使った2球バッテリーのレフレックスラジオだったのを、UX−226に差し替えて整流管を追加してエリミネーターの改造した物らしいが、肝心の電源トランスが付いていないし、鉱石検波器も見当たらない。配線もあちこち切られており、全容がよくわからない。使用真空管はUX−226(高周波&低周波増幅)、UX−226(電力増幅)、UX−112A(整流)のレフレックスラジオである。ラジオ本体の下側が元々の電池の収納スペースたっだらしい。
修復前の内部様子。年代を考えると、綺麗な状態である。低周波トランスは大丈夫なのであろうか?
前面のエンブレムである。東京ラジオ普及社とは、初めて聞く名前である。
板にのったシャーシー部分を取り出したところ。低周波トランスやチョークコイルなどは、予想通り全滅であった。電源平滑用の大きなペーパーコンデンサーが見られるが、これで2+2μFである。電源トランスはみあたらない?どうやらエリミネーターの改造を、途中で投げ出したみたいだ?
低周波トランスは内部にタールが詰められていないので、内部を新品に交換しました。これは比較的簡単で良かったです。
問題は、チョークコイルである。こっちはタールが詰められており、内部を完全に取り出して新品のチョークコイルを入れるのに、かなりの時間と労力を要した。手も真っ黒になりました。やれやれ・・・。
新たに用意した電源トランスは、226のヒーターを2本分賄える特注品である。これは貴重品で高い!
ブロック型ペーパーコンデンサーは、中身を取り出してケミコンを挿入しました。
電源トランスは下部電池収納スペースに配置するので、外部から見えない様に、飾り窓にサランネットを張りました。
電源トランスを下部に配置し、配線が完了しました。
修復が完了した内部の様子。大変苦労しました。
ホーンスピーカーのコイルを巻き直す為に分解したところ。これ以上分解出来ずにコイルまでたどり着けない・・・?
ホーンスピーカー上部の様子。どうやって分解するのであろう?
やっと分解方法がわかり、コイルが現れた。これは小さくて巻き直しが大変そうである。
取り外したコイル部分。小さくて手巻きで巻き直す事になる。
2個のコイルの巻き直しが完了したところ。やれやれ・・・。
修復が完了したところ。実はレフレックス回路特有の異常発振に悩まされました。異常発振も落ち着きましたが、まだちょっと不安定で、あまり大きな音は出ません。昔の貴重なレフレックスラジオ、大切にお使いください。
以上、修復作業時間は約20時間、交換部品代は約11,000円でした。
誠文堂新光社から2007年11月16日に発売の「真空管ラジオ製作ガイド」と、2008年12月17日発売の「ゲルマラジオ製作徹底ガイド」と、2009年10月22日に発売の「真空管レフレックスラジオ実践製作ガイド」と、CQ出版社から2010年4月19日発売の「CQハムラジオ」の一部を執筆させて頂きました。是非とも1冊ご購入をお願いします!
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