三洋「SS−58」修復記


(続)真空管ラジオ修復記 > 戦後mT管トランス付きスーパーラジオその5 > 三洋「SS−58」修復記

修理を依頼された、三洋電機(SANYO)の「SS−58」 の修復をして見ました。


修復前の様子。オートトランス式のラジオである。オークションで入手して当初は音が出なかったらしいが、依頼主の方が出力トランスを交換して、音が出たそうだ。使用真空管は、6BE6(周波数変換)、6BD6(中間周波数増幅)、6AV6(検波&低周波増幅)、6AR5(電力増幅)、5M−K9(整流)である。


修復前の内部様子。依頼主の方がキャビネットを清掃したそうで、かなり綺麗である。通電確認したところ、音は出るがかなり小さい。本来ならもっとガンガン鳴るはずであるが・・・。


修復前のシャーシー上部の様子。依頼主の方がキャビネットと共にクリーニングして頂いたとの事で大変助かります。


電源コードやスピーカーの線も依頼主の方が交換したそうである。


当初は音が出なく、出力トランスが断線してたそうで、交換したら音が出たそうである。ところが、出力管の6AR5は負荷抵抗は7KΩであるのに対し、出力トランスの1次側は5KΩの端子につながっている。またスピーカーのインピーダンスが2.8Ωと記載があるのに、2次側は8Ωの端子につながっている。これでは真空管の方から見た負荷抵抗が1.75KΩとなってしまい、全然効率が悪い事になる。音が小さかった原因はここであろう。


修復前のシャーシー内部の様子。信頼性の低いペーパーコンデンサーなどはそのままである。


キャビネット内部には29.1.5.2の記載が見られる。昭和29年1月5日の2台目の製作ラジオのことか?


修復が完了したシャーシー内部の様子。全てのペーパーコンデンサーとオイルコンデンサーを交換しました。出力トランスのタップも正しく修正しました。


修復が完了したところ。出力トランスの負荷抵抗を修正したので、ガンガン鳴ってくれる。大切にお使いくださいね。

以上、修復作業時間は約4時間、交換部品代は約1,100円でした。

誠文堂新光社から2007年11月16日に発売の「真空管ラジオ製作ガイド」と、2008年12月17日発売の「ゲルマラジオ製作徹底ガイド」と、2009年10月22日に発売の「真空管レフレックスラジオ実践製作ガイド」と、CQ出版社から2010年4月19日発売の「CQハムラジオ」の一部を執筆させて頂きました。是非とも1冊ご購入をお願いします!

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