三洋「SF−20」修復記


(続)真空管ラジオ修復記 > 戦後mT管トランスレススーパーラジオその7 > 三洋「SF−20」修復記

修理を依頼された、三洋電機(SANYO)の「SF−20」 の修復をして見ました。


修復前の様子。オークションで入手し一応鳴るそうであるが、音が絞りきれなかったり、ダイアル糸が滑ったりと不都合が有り、安全に使用するために修理&点検にやって来た。使用真空管は、12BE6(周波数変換)、12BD6(中間周波数増幅)、12AV6(検波&低周波増幅)、30A5(電力増幅)、35W4(整流)と、レス機のオーソドックスである。中波と短波の2バンド対応であるが、バンド切り替えが、右側面の押ボタンスイッチという珍しい機種である。


修復前の内部様子。依頼主の方が清掃したそうで、綺麗な状態である。


修復前のシャーシー内部の様子。狭い部分に部品が押し込められている。修理や改造の跡は見られない。この頃はペーパーコンデンサーの他に、オイルコンデンサーも使われ始めている。


修復前のシャーシー上部の様子。年代を考えると綺麗な方であろうか?エアガンで埃を吹き飛ばしました。


輸送中の事故なのか、キャビネット左側上部が欠けていたので、接着して修復しておきました。


プラスチックキャビネットは分解して水洗し、さっぱり綺麗になりました。


電気回路の修復が完了したところ。全てのペーパーコンデンサーとオイルコンデンサーを交換しました。ケミコンは漏洩電流を計測したところ、多かったので念のため交換しました。音が絞りきれないとの事でしたので、ボリュームの残留抵抗を計測したところ、音が最小の位置でも50kΩ以上あったので、ボリュームも交換しました。ダイアル糸も交換し、チューニングも滑らなくなりました。この頃の出力トランスは信頼性も向上し、断線する確率も少なくなったので、このままとしました。


修復が完了したところ。柔らかな音で感度良く鳴ってくれる.右側の押ボタンスイッチでMWとSWを切り替えると、前のパネルに窓から表示が出る仕組みなのだが、暗くてよく見えないので有る。大切にお使いください!

以上、交換部品代は約2,200円、修復作業時間は約6時間でした。

誠文堂新光社から2007年11月16日に発売の「真空管ラジオ製作ガイド」と、2008年12月17日発売の「ゲルマラジオ製作徹底ガイド」と、2009年10月22日に発売の「真空管レフレックスラジオ実践製作ガイド」と、CQ出版社から2010年4月19日発売の「CQハムラジオ」の一部を執筆させて頂きました。是非とも1冊ご購入をお願いします!

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