ナショナル「REー760」修復記


(続)真空管ラジオ修復記 > 戦後mT管トランスレススーパーラジオその6 > ナショナル「RE−760」修復記

修理を依頼された、松下電器産業(NATIONAL)の「RE−760」 の修復をして見ました。


修復前の様子。20年くらい前に入手ししばらく倉庫に眠っていたが、最近取り出してきて清掃したら鳴らなくなったとの事で、修理にやって来た。使用真空管は17EW8(FM用高周波増幅&周波数変換)、12BA6(FM用中間周波数増幅)、12BE6(AM用周波数変換)、12BA6(FM&AM用中間周波数増幅)、12AV6(低周波増幅)、30A5(電力増幅)、(ダイオードによる整流)である。サランネットが派手な物に張り替えられている。ツマミに錆が見られ、状態はよろしくない。


修復前の内部様子。年代相応ではある。


修復前のシャーシー上部の様子。かなり汚れている。プリント基板が採用されている。


修復前のシャーシー内部の様子。基板パターン面には、部品はあまり実装されていない。


スピーカーには修復の跡がみられる。音が出ない原因は、出力トランスの1次側の巻き線の断線を疑ったが、このスピーカーのボイスコイルの断線が原因であった。同じ大きさの7インチのスピーカーを捜してみたが全く同じ大きさが見つからず、ちょっと小さい6.5インチの物で代用する事にする。


通電確認してみると、AM放送は音が出るが、FM放送音が出ない。調べて見るとこのサイトの様に、FMステレオアダプターを取り付けるこの端子にダミーのプラグが無ければ音が出ない事が判明した。特殊なプラグで入手出来ないため、内部に直接半田付けして、回路を接続したが、何故かFM放送はあまり音が大きくない。


修復が完了したところ。オイルコンデンサーと整流用ダイオードや電源コードなどを交換しました。ケミコンは漏洩電流を計測して、使えそうなのでこのままとしました。


修復が完了したシャーシー内部の様子。スピーカーを交換しましたので、出力トランスはキャビネット側に直接取り付けています。


修復が完了したところ。パイロットランプがネオン管なので、あまり明るくない。何故かFM放送はあまり音が大きくならない様だが、AM放送はちゃんと受信できる様だ。思い出のラジオ、大切にお使いくださいね。

以上、修復作業時間は約5時間、交換部品代は約1,000円でした。

誠文堂新光社から2007年11月16日に発売の「真空管ラジオ製作ガイド」と、2008年12月17日発売の「ゲルマラジオ製作徹底ガイド」と、2009年10月22日に発売の「真空管レフレックスラジオ実践製作ガイド」と、CQ出版社から2010年4月19日発売の「CQハムラジオ」の一部を執筆させて頂きました。是非とも1冊ご購入をお願いします!

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