ビクター「RE−44」修復記


(続)真空管ラジオ修復記 > 自作ラジオとその他のラジオその4 > ビクター「RE−44」修復記

修理を依頼された、日本ビクター(VICTOR)の「RE−44」 の修復をして見ました。


修復前の様子。約20Kgと、ものすごく重たい。残念ながらVICTORのエンブレムが破損している。使用真空管は、6BE6(周波数変換)、6BA6(中間周波数増幅)、6AV6(検波&低周波増幅)、6BQ5(電力増幅)、6X4(整流)である。オークションの出品者の方が通電試験したそうであるが、動作はするがハム音が凄まじいとの事でした。


修復前の内部様子。比較的綺麗な状態である。スピーカーが2個見られるが、もちろんステレオではない。


ターンテーブルの様子。カートリッジのロッシェル塩の劣化による音の低下が心配である。


側面にツマミなどが付いている珍しい構造である。


ツマミは左から、チューニング・電源スイッチ兼音質・レコード切り替え兼音量・モード切替(HiFi/LOCAL/DX)である。


内部には真空管配置図が貼られているが、回路図やダイアル糸かけ図はない。回路図は、取り扱い説明書に記載があるらしい。


修復前のシャーシー上部の様子。汚れも少なく、状態は良い。


修復前のシャーシー内部の様子。出力管のカップリングコンデンサーなど、一部重要な部分のペーパーコンデンサーが、オイルコンデンサーに交換されている。部品の実装密度が高い。


修復後のシャーシー内部の様子。全てのペーパーコンデンサーや、オイルコンデンサーを交換しました。ブロック型ケミコンの漏洩電流を計測したところ、ものすごく漏洩電流が多く、全て交換しましたので、ますます実装密度が高くなりました。ボリュームは分解し、接点復活剤にてガリを防止しておきました。電源コードも交換しました。


動作確認をしているところ。スライドスイッチを切り替えると、外部入力にも出来ますので、iPodなどもつなげます。取り扱い説明書には、インターホンユニット接続端子とあるが、これはどんな機能なのか興味がある。


SP盤のレコードを再生してみました。心配していたカートリッジの劣化もなく、十分な音量で鳴ってくれます。ターンテーブル部分は、各種回転部に注油しました。


修復が完了したところ。ガンガンなってくれる。ラジオもHiFiに切り替えると、かなりいい音で鳴ってくれる。大切にお使いください。

以上、交換部品代は約3,000円、修復作業時間は約10時間でした。

誠文堂新光社から2007年11月16日に発売の「真空管ラジオ製作ガイド」と、2008年12月17日発売の「ゲルマラジオ製作徹底ガイド」と、2009年10月22日に発売の「真空管レフレックスラジオ実践製作ガイド」と、CQ出版社から2010年4月19日発売の「CQハムラジオ」の一部を執筆させて頂きました。是非とも1冊ご購入をお願いします!


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