ナショナル「形式不明」修復記


(続)真空管ラジオ修復記 > 戦後ST管スーパーラジオその6 > ナショナル「形式不明」修復記

修理を依頼された、松下電器産業(NATIONAL)の「形式不明」 の修復をして見ました。


修復前の様子。ジャンクの電蓄として購入したが、鳴らしてみたいと内部のシャーシーのみ修理にやって来た。使用真空管は、UZ−6D6(高周波増幅)、6W−C5(周波数変換)、UZ−6D6(中間周波数増幅)、6Z−DH3A(検波&低周波増幅)、UZ−42(電力増幅)、KX−80BK(整流)、EZ−6E5(同調指示)である。


修復前の内部様子。年代を考えると綺麗な方である。


修復前のシャーシー上部の様子。本体を送ると、大きくて送料が大変なんで、内部のシャーシーのみ送付してもらった。


内部には、かなり熱を持ったと思われる抵抗が見られる。


修復前のシャーシー内部の様子。修理や改造の跡は見られない。


ダイアル糸かけが変だ?使われていないプーリーが2個見られるし、つまみを回してもバリコンが動かない。まず、ダイアル糸の張り直しから実施した。


マジックアイはご覧の様にほとんど光らず。


おや、6W-C5ソケット周りであるが、445PFの黄色のコンデンサーとアースの部分に何か付いていたらしい跡が見られる。


そう、ここには回路上、20KΩの抵抗が付くはずである。6Z-DH3Aのプレート負荷抵抗が、普通は250KΩが付くはずだが、後から付けた様な20KΩの抵抗が付いていたのは、どうもここから来たらしい。誰かが、ラジオを修理しようとしていじくって、滅茶苦茶にして、修理を放棄したらしい・・・。


電気回路の修復が完了したシャーシー内部の様子。全てのペーパーコンデンサーとケミコンを交換しました。発熱したと思われる一部の抵抗も交換しました。これでやっとラジオとして鳴ってくれた。キャビネットに組み込んで電蓄としてお楽しみください。

以上、修復作業時間は約9時間、交換部品代は約3,500円でした。

誠文堂新光社から2007年11月16日に発売の「真空管ラジオ製作ガイド」と、2008年12月17日発売の「ゲルマラジオ製作徹底ガイド」と、2009年10月22日に発売の「真空管レフレックスラジオ実践製作ガイド」と、CQ出版社から2010年4月19日発売の「CQハムラジオ」の一部を執筆させて頂きました。是非とも1冊ご購入をお願いします!


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