自作「高二」修復記


(続)真空管ラジオ修復記 > 自作ラジオとその他のラジオその4 > 自作「高二」修復記

修理を依頼された、自作の「高二」 の修復をして見ました。


修復前の様子。CQ誌の記事を参考に組み立てたが、発振してうまく受信出来ないそうである。6球AVC(オート・ボリューム・コントロール)付き、高周波2段増幅(高二)のストレートラジオである。使用真空管は、6K7−GT(高周波増幅)、6SK7−GT(高周波増幅)、6H6−GT(AVC&検波)、UY−37(低周波増幅)、UX−2A3(電力増幅)、KX−80(整流)で、Sメーター付きである。


修復前の内部様子。とても綺麗に配線されている様であるが・・・。


この辺の高一コイル近辺の配線が怪しいか・・・?


この4ピンのステアタイト製UXソケットであるが、矢印の丸いリベット部分は、真空管のソケットピンと同電位であるのに関わらず、アース電位のアルミシャーシー部分と数ミリの間隔しかなく、特に整流管の交流入力部分にはこのわずかの隙間にAC270Vの電圧が加わる事になる。TS-4stの所でも指摘した様に、早急に改善が必要である。ここに金属片や埃が入ると、大変な事になります!


そんな訳で、UXソケットは交換する事になりました。


ところで気になっていたのですが、UYのソケットが不自然にスペーサーでシャーシーから浮き上がっている。普通はソケットの上部部分のみがシャーシー上部に顔を出して、取り付け金具部分のベロは、シャーシー下部に収まるのが、普通の取り付け方法だと思うのであるが・・・。(下の写真)


そんな訳で2つのUXソケットを交換しました。これで安心して通電が出来ます!


2つの高一コイルの間のアルミのシールド板(非磁性体)に、磁性体のパンチング板を取り付けて、シールド効果を向上させてみましたが、残念ながら多少改善する程度でした。


異常発振の原因は、矢印のAVC電圧のラインが、高周波増幅段のコイルの横を通っていたのが原因で、配線位置を変更したら、見事に発振はなくなった。この様にアナログ高周波回路では、回路図通りに配線してもうまく動作しない事が度々あります。それを見つけるのが大変です。


修復が完了したところ。整流管はKX-80Kを使用した方が、ケミコンへの負担が少ないのでお勧めです。自作のラジオで、思う存分お楽しみください!

以上修復作業時間は約3時間、交換部品代は約900円でした。

誠文堂新光社から2007年11月16日に発売の「真空管ラジオ製作ガイド」と、2008年12月17日発売の「ゲルマラジオ製作徹底ガイド」と、2009年10月22日に発売の「真空管レフレックスラジオ実践製作ガイド」と、CQ出版社から2010年4月19日発売の「CQハムラジオ」の一部を執筆させて頂きました。是非とも1冊ご購入をお願いします!


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