ナショナル「EA-700」修復記その3


(続)真空管ラジオ修復記 > 戦後mT管トランス付きスーパーラジオその4 > ナショナル「EA−700」修復記その3

修理を依頼された、松下電器産業(NATIONAL)の「EA−700」 の修復をして見ました。


修復前の様子。2台同じ機種が修理にやってきた。使用真空管は、6BE6(周波数変換)、6BD6(中間周波数増幅)、6AV6(検波&低周波増幅)、6AR5(電力増幅)、6X4(整流)、6Z−E1(同調指示)である。つまみの飾りが2個欠品である。


修復前の内部様子。こちらはダイアル糸が切れており、通電確認は実施していないとの事でした。


修復前のシャーシー上部の様子。ダイアル糸が切れている。電源スイッチのロータリースイッチの鉄球が1個紛失して、カチカチ感がない。モード切替のロータリースイッチも動きが悪い。前のラジオに比べて状態が悪い。ナショナルラジオ特有の、豆球への配線がボロボロであり、すべて配線し直します。


修復前のシャーシー内部の様子。オリジナルの状態である。


マジックアイの輝度はご覧のとおり。まあまあ明るいのである。これはHiFiモードに切り替えると、マジックアイが消えるからであろう。


ダイアル目盛り部分も内部にかなり埃がたまってましたので、分解して洗浄してすっきり綺麗になりました。


修復が完了したシャーシー内部の様子。こちらのラジオはケミコンの漏洩電流が多かったので、ペーパーコンデンサーの他に、ケミコンも交換しました。切れていたダイアル糸も張り直しました。B電圧が掛かるロータリースイッチも、前のラジオと同じように絶縁不良防止の為に後ろ側にスイッチを取り付けました。アンテナのオレンジ色の線が切れていたので、新たに付けました。


修復が完了したところ。HiFiラジオの柔らかな音を聞かせてくれる。マジックアイも交換してあります。是非とも大切にお使いください!

以上、修復作業時間は約8時間、交換部品代は約6,700円でした。

この形式のラジオは、以前に修理の経験があります。詳しくはこちら

誠文堂新光社から2007年11月16日に発売の「真空管ラジオ製作ガイド」と、2008年12月17日発売の「ゲルマラジオ製作徹底ガイド」と、2009年10月22日に発売の「真空管レフレックスラジオ実践製作ガイド」と、CQ出版社から2010年4月19日発売の「CQハムラジオ」の一部を執筆させて頂きました。是非とも1冊ご購入をお願いします!


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