チャンピオン「レフレックス・エリミネーター」修復記


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修理を依頼された、チャンピオン(CHAMPION)の「レフレックス・エリミネーター」 の修復をして見ました。


修復前の様子。貴重なナス管のレフレックス・エリミネーターラジオである。使用真空管はUX−201A(高周波&低周波増幅)、(鉱石検波器)、UX−201A(電力増幅)、KX−112B(整流)である。


修復前の内部様子。年代相応であろうか?これで通電して鳴るそうだからすごい!今後安全に使用するために整備&点検にやってきた。


キャビネットから板のシャーシーを取り出したところ。当時の布巻の配線が見られる。


2段目の低周波トランスは、断線していたのであろうか中身が交換されていた。それなりに修理知識がある方が、修理したらしい。


電源平滑のチョークコイルは当時のままでしたので、断線防止の為に、中身を新品のチョークに交換しました。中がタールで固められていたので、取り出しに大変苦労しました。


自己バイアス用のペーパーコンデンサーは、中身が交換されているが、160V22μFと、変なコンデンサーが付いている。50V2.2μFで十分であるので、交換しました。


アンテナコイルは断線したのか、新たに巻き直されたみたいだ。


電源平滑用のペーパーコンデンサーは、何と当時のままである。一番肝心のコンデンサーが交換されていないとは・・・?単に故障した部品を交換しただけらしい。こんなに大きくても容量は4μFである。


ペーパーコンデンサーは中身を取り出して、新品のケミコンを取り付けました。部品が小型化しているので、ずいぶん余裕がある。


2段目の低周波トランスは中身が交換されていたので、当然1段目も交換されていると思ったら当時のままだった。断線防止の為に、初段の低周波トランスも中身を交換しました。初段もチェックして良かったです。


ダイアル減速機は、同調の左側は外して清掃しましたが、再生の右側はネジがさび付いていて外れませんでした。どちらも軸が滑って、目盛りとバリコンの羽の位置がずれる事があります。


修復が完了したシャーシーの様子。交換した部品は、それぞれオリジナルのケースの内部に忍ばせたので、外観的には変わりません。布巻きの線は、安全の為に交換できる部分は全てビニール線に交換しました。安全の為に、新たにヒューズも取り付けて、電源コードも袋打ちコードと丸形プラグに交換しました。


修復が完了したところ。全て直熱管なので、電源を入れるとすぐに動作する。パイロットランプがないのでちょっと寂しい。貴重な昭和初期のエリミネーターラジオです。大切にお使いください。

以上、修復作業時間は約14時間、交換部品代は約4,000円でした。

誠文堂新光社から2007年11月16日に発売の「真空管ラジオ製作ガイド」と、2008年12月17日発売の「ゲルマラジオ製作徹底ガイド」と、2009年10月22日に発売の「真空管レフレックスラジオ実践製作ガイド」と、CQ出版社から2010年4月19日発売の「CQハムラジオ」の一部を執筆させて頂きました。是非とも1冊ご購入をお願いします!


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