ナショナル「BX−770」修復記


(続)真空管ラジオ修復記 > 戦後ST管スーパーラジオその5 > ナショナル「BX−770」修復記

修理を依頼された、松下電器産業(NATIONAL)の「BX−770」 の修復をして見ました。


修復前の様子。一応鳴るらしいが、安全に使用するために修理&点検にやってきた。使用真空管は6W−C5(周波数変換)、UZ−6D6(中間周波数増幅)、6Z−DH3A(検波&低周波増幅)、UZ−42(電力増幅)、KX−80BK(整流)である。マジックアイは付いていない。つまみが1個別の物が付いている。


修復前の内部様子。清掃されており、かなり綺麗である。キャビネットも再塗装されている。


サランネットも張り替えされているが、タオルの様なパイル布である。おまけにナショナルのエンブレムが生地に直接接着剤で貼られていたので、剥がすのに苦労した。


修復前のシャーシー上部の様子。ダイアル糸も張り替えられている。


修復前のシャーシ内部の様子。コンデンサーはそのままである。一部配線が間違っていたので、修正しました。


音量調整は、ボリュームが交換されており、PU切り替えの配線が殺されている。


前面のパネルは、透明部分が少し刷れて曇って見えずらい。


修復が完了したシャーシー内部の様子。信頼性の低い全てのペーパーコンデンサーと、ケミコンを交換しました。1次側巻き線の断線が予想される出力トランスも交換しました。ボロボロの豆球の配線も交換しました。


タオル地のサランネットは、オリジナルの生地の上に貼られていた。これも剥がすのに大変苦労しました。


修復が完了したところ。サランネットも張り替えてすっきりしました。各種試験後問題無さそうなので完了とする。柔らかい音でガンガン鳴ってくれる。大切に末永くお使いくださいね!

以上、修復作業時間は約8時間、交換部品代は約3,700円でした。



その後、依頼主の方から、マジックアイを取り付けて欲しいと要望が有った。真空管が見える様に、前面のパネルをシースルーに改造したそうである。アクリル板をこの様に綺麗に加工出来るとは、大変器用である。


チューニング部分を拡大したところ。別のラジオから切り取ったみたいだ。


マジックアイは既に取り付けられているが、配線はされていない。右下にマジックアイの消灯用のスイッチも取り付けて頂いた。


何とLEDのレベルメーターも搭載されていた。すばらしい・・・!


マジックアイは中古らしく、少し発光が弱い。


マジックアイの取り付け改造が完了したところ。大切にお使いください。

以上、改造作業時間は約2時間、追加部品代は約1,000円でした。

誠文堂新光社から2007年11月16日に発売の「真空管ラジオ製作ガイド」と、2008年12月17日発売の「ゲルマラジオ製作徹底ガイド」と、2009年10月22日に発売の「真空管レフレックスラジオ実践製作ガイド」と、CQ出版社から2010年4月19日発売の「CQハムラジオ」の一部を執筆させて頂きました。是非とも1冊ご購入をお願いします!

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