ナショナル「BX−210」修復記7


(続)真空管ラジオ修復記 > 戦後ST管スーパーラジオその6  > ナショナル「BX−210」修復記その7

修理を依頼された、松下電器(NATIONAL)の「BX−210」 の修復をして見ました。


修復前の様子。使用真空管は、UZ−6D6(高周波増幅)、6W−C5(周波数変換)、UZ−6D6(中間周波数増幅)、6Z−DH3A(検波&低周波増幅)、UZ−42(電力増幅)、KX−80BK(整流)、EZ−6E5(同調指示)である。骨董屋さんから購入して一応鳴るそうであるが、音が割れたり受信出来ない周波数が有ったりといろいろと調子が悪いらしい。


修復前の内部様子。清掃されていて、それほど汚れていない。


修復前のシャーシー上部の様子。何と電源トランスが交換されており、整流管にKX−80が付いていた、これは元のKX−80BKとは全く別物です。ヒューズに2Aの物が付いていたが、これでは大きすぎて事故が起こった時に切れません。1A以下の物に交換しておきます。またボリュームにガリが有ったのか、コスモス製に交換されています。


修復前のシャーシー内部の様子。何と全てのペーパーコンデンサーとケミコンが交換されている。アンテナ線が端子に直接ハンダ付けされている。


交換されたと思われる電源トランスであるが、整流管のヒーターの電流値が書かれていないので、KX−80のヒーター電流をまかなえるのか不安だが、ヒーターの巻き線の太さから、2Aは流せそうであるので、このままとする。またB電圧の巻き線も、しっかり両波整流用であったので、改造された様だ。そこまでして改造する必要があったのであろうか・・・?電源の1次側に入っているコンデンサーは通常の物が付けられているので、電源1次側をまたぐ安全規格を満たした部品に交換しておきました。


内部のコンデンサー類はほとんど交換されているが、一部の配線に変な所が有ったので修正しておいた。骨董屋さんが修理して販売したみたいだ。残念ながら、ナショナルラジオ特有の豆電球の配線はボロボロであるが、こちらは交換はされていないので、交換しておきました。


マジックアイは、RCA製の新品に交換されており、輝度もご覧の通り明るいが、もったいないので消灯様のスイッチを付ける事とする。普段は輝度低下防止の為に、消灯してお使いください。


何とこのラジオケースの裏蓋にPSEマークが付いていた。僕のページにもリンクを張ってもらっている福岡の有名な骨董&リサイクルショップ活さんから購入された様だ。確かにHPに写真が掲載されています。びっくりです。真空管ラジオにPSEマークが添付されているのは初めて見ました!


修復が完了したシャーシー内部の様子。交換出来る部品は全て交換しましたので、安心です。断線の予想される出力トランスも交換しました。出力管のUZ−42は劣化しておりましたので、良品を予備に添付しました。このままでも十分使えますが、音が小さくなってきたら、交換してください。


修復が完了したところ。各種調整と試験を実施して問題なさそうなので、完了とする。大切にお使いくださいね。

この同じ形式のラジオは何台か修理経験があります。詳細は1台目2台目3台目4台目、5台目、6台目、7台目、8台目

以上、修復作業時間は約10時間、交換部品代は約5,300円でした。

誠文堂新光社から2007年11月16日に発売の「真空管ラジオ製作ガイド」と、2008年12月17日発売の「ゲルマラジオ製作徹底ガイド」と、2009年10月22日に発売の「真空管レフレックスラジオ実践製作ガイド」と、CQ出版社から2010年4月19日発売の「CQハムラジオ」の一部を執筆させて頂きました。是非とも1冊ご購入をお願いします!

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