MARTIAN「BIG4」修復記


(続)真空管ラジオ修復記 > 自作ラジオとその他のラジオその3 > MARTIAN「BIG4」修復記

修理を依頼された、(MARTIAN)の「BIG4」 の修復をして見ました。


修復前の様子。1924年(大正13年)頃製造の、鉱石ラジオ2台です。これもいつもお世話になっているばざーらさんからの修理依頼品です。このラジオに関して、こちらや、こちらにも掲載があります。こちらには、動画もありました。eBayなどを検索すると、現在でも$500〜$700で取引が行われているそうです!販売当初の値段は$6〜$7程度だったみたいです。結構売れたのでしょうか?同じ1924年頃のスパーラジオがいかに高価だったのか想像がつきます!


検波器の様子。鉱石を上部の針で接触させて検波します。鉱石は検波に向いた方鉛鉱などが使われます。さぐり式鉱石検波器なので、針の接触の位置などによって、感度(音量)が変わります。


同調はコイル横の球状のスライダーを動かして、アースの位置を変え、コイルの巻き数を変化させて行います。でも同調回路なんでキャパシターが並列に必要なはずですが、見あたりません?


上部には、製品名が刻印されています。上部の4つのフォーン端子は、コイルを介して鉱石検波された信号が出ます。


下部の端子には、アンテナとアースとフォーンの記載が見られます。このラジオは同時に4台のレシーバーを取り付ける事が出来ます。並列接続で、同じ放送局が同時に聞けるだけですが・・・。下側の端子は、アンテナ端子以外は全てアースです。一部内部の配線が切れている部分や、コイルスライダー部分に不都合があり、修復しました。回路が単純なのですが、外側にコイルが巻かれているので、内部の配線を修理するのは、意外と大変でした。2台を比べると、製造年度が違うのか、若干の違いがあります。


線の断線や接続不良など直して、1台目はすんなり音がでましたが、2台目は、端子の絶縁ワッシャーの欠品で苦労しました。結局4つあるPHONE端子のうち1個だけを生かし、他の端子から絶縁ワッシャーを取りました。写真のマジックで○を書いた端子だけが有効で、他は絶縁ワッシャーがないので、GNDにショートしてしまい音はでません。


修復が完了したところ。長いアンテナとアースを接続し、さぐり式鉱石検波器をいじり、両端のスライダーボールを上下に動かして同調を取ると、かすかに放送が聞こえました。同調周波数範囲は不明です。日本でラジオ放送が始まる以前の、90年以上も前のラジオです。米国はやはりすごいですね〜ぇ!

以上、修復作業時間は合わせて5時間程度でした。

誠文堂新光社から2007年11月16日に発売の「真空管ラジオ製作ガイド」と、2008年12月17日発売の「ゲルマラジオ製作徹底ガイド」と、2009年10月22日に発売の「真空管レフレックスラジオ実践製作ガイド」と、CQ出版社から2010年4月19日発売の「CQハムラジオ」の一部を執筆させて頂きました。是非とも1冊ご購入をお願いします!

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