ビクター「6A-2601」修復記


(続)真空管ラジオ修復記 > 戦後mT管トランス付きスーパーラジオその4 > ビクター「6A-2601」修復記

修理を依頼された、ビクター(VICTOR)の「6A-2601」 の修復をして見ました。


修復前の様子。ビクターのHiFiラジオである。残念ながら、ツマミが1個欠品で、両側の飾り木の表面合板が剥がれている。使用真空管は、6BE6(周波数変換)、6BA6(中間周波数増幅)、6AV6(検波&低周波増幅)、6BQ5(電力増幅)、6X4(整流)、EZ−6E5(同調指示)と、HiFiラジオらしく、出力管に大型の6BQ5が使われている。


修復前の内部様子。年代相応であろうか?


側面のキャビネットに割れが見られる。


裏蓋にも数カ所ヒビが見られる。


キャビネットの下側には、回路図とダイアル糸掛け図が貼ってある。


マジックアイの輝度はご覧のとおり、意外と明るかった。


修復前のシャーシー上部の様子。かなり汚れている。


修復前のシャーシー内部の様子。事故や修理の跡は見られない。オリジナルの状態である。


電気回路の修復が完了したシャーシー内部の様子。信頼性の低い全てのペーパーコンデンサーを交換しました。ブロック型ケミコンは漏洩電流を計測したところ、ものすごく漏洩電流が多く、危険なのでこちらも交換しました。これで安心してラジオを使用出来ます。この頃の出力トランスは、かなり信頼性も向上し、断線の心配も少なくなってきているので、このまま使用する事にします。


修復が完了したところ。色々と問題が発生し、完成まで少し苦労しました。1個欠品だったツマミは手持ちの似たツマミを取り付けました。剥がれていた両側の飾り部分も修復してあります。HiFiモードにするとかなり良い音で鳴ってくれます。大切にお使いください。

以上、修復作業時間は約10時間、交換部品代は約3,800円でした。

誠文堂新光社から2007年11月16日に発売の「真空管ラジオ製作ガイド」と、2008年12月17日発売の「ゲルマラジオ製作徹底ガイド」と、2009年10月22日に発売の「真空管レフレックスラジオ実践製作ガイド」と、CQ出版社から2010年4月19日発売の「CQハムラジオ」の一部を執筆させて頂きました。是非とも1冊ご購入をお願いします!


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