マツダ「614A」修復記3


(続)真空管ラジオ修復記 > 戦後ST管スーパーラジオその6 > マツダ「614A」修復記

修理を依頼された、東京芝浦電機(マツダ)の「614A」 の修復をして見ました。


修復前の様子。レストアされて再塗装され、かなり綺麗な状態である。使用真空管は、6W−C5(周波数変換)、UZ−6D6(中間周波数増幅)、6Z−DH3A(検波&低周波増幅)、UZ−42(電力増幅)、KX−80HK(整流)、EZ−6E5(同調指示)である。細かな不具合があるという事で、調整&点検にやってきた。


修復前の内部様子。シャーシーも再塗装され、かなり綺麗である。


ダイアル指針が目盛りとずれているとの不都合があるとの事で確認しました。当地774KHzを受信している時のダイアルの位置。周波数表示は若干低めである。


同じく936KHzの放送を受信している時のダイアルの位置。周波数表示は、870KHz位を指示している。ちなみに1503KHzの放送は受信出来なかった。


強電界地域の当地でも、3m程度のアンテナ線を延ばしてもマジックアイは完全に閉じず。調整不足か、かなり感度が悪く周波数表示もずれている感じである。


キャビネットの裏蓋も、綺麗に自作されている。


シャーシー内部は、完全分解後、再塗装され全て配線がやり直されているが、古いブロック形コンデンサーや、断線し易い出力トランスは、当時のままである。配線は完璧にやられていますが、トラッキング調整やIFTの調整は、未実施の様だ。不調の原因はこれであろう。かなり電気的知識と木工工作技術をお持ちの方が、レストアされた物であるが、最後の詰めが甘かったみたいである。これだけ綺麗にレストア出来る技術をお持ちの方に、敬意を表します!


この頃の出力トランスは、1次側の巻き線が7〜8割程度断線するが、このラジオでは当時のままのトランスが使用されていたので、念の為に交換しておいた。


PU端子に外部から音源を入れたいとのご希望で、入力トランスを作製した。


修復が完了したところ。豆球も明るい球に交換して、豪華に見える。各種調整をやり直して、ダイアルのズレもなくなり、感度も向上しました。シャーシー後ろ側にマジックアイ消灯用のスイッチを取り付けましたので、普段は消灯して、輝度の劣化を防止して、末永く大切にお使いください。

以上、交換部品代は約5,200円、修復作業時間は約8時間でした。

この機種は以前に修復経験があります。詳しくはこちらと、こちら

誠文堂新光社から2007年11月16日に発売の「真空管ラジオ製作ガイド」と、2008年12月17日発売の「ゲルマラジオ製作徹底ガイド」と、2009年10月22日に発売の「真空管レフレックスラジオ実践製作ガイド」と、CQ出版社から2010年4月19日発売の「CQハムラジオ」の一部を執筆させて頂きました。是非とも1冊ご購入をお願いします!


匿名でも結構ですので、是非ともアンケートにご協力お願いします!また、ご意見ご感想はこちらまでお願いします。(こちらは匿名と携帯メールはご遠慮下さい!)

また、私のHP上で公開している写真、回路図、文章などの無断での2次使用はお断りします。一言メールにて断って頂ければ、一向にかまいません。以上、よろしくお願いします。(以前、文章をそのまま雑誌に転記された事、HPで無断使用された事がありますので・・・。)

inserted by FC2 system