ナナオラ「44A型」修復記その2


(続)真空管ラジオ修復記 > 戦前〜戦時中〜終戦直後のラジオその6 > ナナオラ「44A型」修復記その2

修理を依頼された、七欧無線(NANAOLA)の「44A型」 の修復をして見ました。


修復前の様子。元の持ち主の方が整備したそうで、一応鳴るとの事だが、点検にやってきた。使用真空管はオリジナルでは、UY−224(高周波増幅)、UY−224(再生検波)、UZ−247B(電力増幅)、KX−112B(整流)であるが、実際はUZ-58(高周波増幅)、UZ-57(再生検波)、3Y-P1(電力増幅)、KX-12B(整流)が付いていた。


修復前の内部様子。かなり綺麗な状態である。


昭和7年頃のこのラジオのポスターも入手したとの事である。


キャビネットには、銘板も見られる。こちらにはナナオラ44型と記載がある。


シャーシーの銘板はよく読めないが、よく見るとナナオラ84型と読める。


シャーシーの下には、板が取り付けられている。なぜだろう?


修復前のシャーシー上部の様子。再塗装されており、かなり綺麗な状態である。


板の下側には、修理された履歴が記載されていた。昭和50年と、平成24年に2氏によりレストアされたらしい。シャーシーは元々ナナオラの84型であったが、キャビネットがボロボロで、この44A型のキャビネットに移植し、高さを合わせる為に、下部に板を取り付けたと記載がある。そういう訳だったのか!どうも、古典ラジオミニミニ博物館からやって来たラジオらしい。


修復前のシャーシー内部の様子。当時のペーパーコンデンサーも見られる。これは、交換が必要である。


修復が完了したシャーシー内部の様子。すべての抵抗とコンデンサーを交換しました。ヒューズも大きな物が付いていたので適正な物に交換しました。電源コードもビニール線から、袋打ちコードに交換しました。これで安心して使用出来ます。


修復が完了したところ。絶縁抵抗を検査したところ、電源トランスの絶縁が悪いみたいで、電源とシャーシー間の絶縁が悪い。トランスを交換したいのだが、同じ規格の物が入手困難であるので、このままとした。漏電や感電の危険があるので、安全に注意してお使いください。

以上、修復作業時間は約8時間、交換部品代は約3,400円でした。

このラジオの同型を以前に修理経験があります。詳しくはこちら

誠文堂新光社から2007年11月16日に発売の「真空管ラジオ製作ガイド」と、2008年12月17日発売の「ゲルマラジオ製作徹底ガイド」と、2009年10月22日に発売の「真空管レフレックスラジオ実践製作ガイド」と、CQ出版社から2010年4月19日発売の「CQハムラジオ」の一部を執筆させて頂きました。是非とも1冊ご購入をお願いします!


匿名でも結構ですので、是非ともアンケートにご協力お願いします!また、ご意見ご感想はこちらまでお願いします。(こちらは匿名と携帯メールはご遠慮下さい!)

また、私のHP上で公開している写真、回路図、文章などの無断での2次使用はお断りします。一言メールにて断って頂ければ、一向にかまいません。以上、よろしくお願いします。(以前、文章をそのまま雑誌に転記された事、HPで無断使用された事がありますので・・・。)

inserted by FC2 system